Dynamic Random Access Memory (DRAM)

  • 2021年09月05日

#今日の発明】 【#特許

 今日、9月5日と関連の深い発明について紹介します。今回紹介するのは、アメリカ合衆国の電子工学者で発明家のロバート・デナード(Robert H. Dennard、1932.9.5~)が考案したDynamic Random Access Memory (DRAM)です。今日9月5日に、89歳の誕生日を迎えています。

 DRAMとは半導体メモリの一種です。放電すると情報が失われるため常にリフレッシュ(記憶保持動作)するための電力を消費することが欠点ですが、大容量かつ安価なため、コンピュータの主記憶装置、デジタルテレビ、デジタルカメラなどに広く使われています。
 現在ではコンピュータの主記憶装置はすべてDRAMになっています。近年では低消費電力に特化したDRAMも登場しています。

 私たちが毎日利用しているDRAMですが、これはデナードが1966年、IBMトーマス・J・ワトソン研究所で構想したものです。翌1967年には特許出願し、1968年に設定登録されました(US3387286A)。デナードは京都賞も受賞しています(2013年)。

 ちなみにトーマス・J・ワトソン研究所とはIBMの研究部門です。デナード以外にも、数学のブノワ・マンデルブロ、物理学の江崎玲於奈など数々の著名な科学者が在籍したことで知られています。

関連リンク:ロバート・デナード – Wikipedia

(blink)

お米の商標

  • 2021年08月25日

#商標

 お米の商標について調べました。「こしひかり」の包装に登録商標を見つけました。
新潟米のこしひかりを愛知県で精米しているようです。

こしひかりパールライス パールライスMOG

 「パールライス」の文字商標は、全国農業協同組合連合会の商標登録第1204268号として、1976年6月10日に登録されています。
「パールライス」の文字と図形の結合商標は、全国農業協同組合連合会の商標登録第6278960号として、2020年8月11日に登録されています。
「MOG」の商標は、愛知県経済農業協同組合連合会の商標登録第5231789号として、2009年5月22日に登録されています。
「日本全国よりすぐり。\お米の国から」の商標は、愛知県経済農業協同組合連合会の商標登録6229072号として、2020年2年25日に登録されています。
 パッケージデザインには登録商標と記載がなくても、多数のブランドや、グラフィック、キャッチフレーズが商標登録されているように思いました。
(ラズベリー)

地元のお酒 半田郷

  • 2021年08月18日

#商標】 【#実用新案】 【#意匠】 【#特許

先日、気になる広告を発見しました。「おかげさまで、全米第一位」の大きな文字に引き付けられ、よく見ると、アメリカの日本酒コンクールでグランプリを受賞したお酒ということでアピールされていました。

中埜酒造國盛半田郷

近所のスーパーに置いてあるか確認したところ、運良く購入出来ました。

中埜酒造國盛半田郷

暑い日によく冷えた日本酒を飲むのは最高です。さっぱりしたそうめんと一緒に食べて、夏を感じました。重すぎず軽すぎず、バランスの取れた美味しいお酒でした。この半田郷を製造した中埜酒造株式会社をJ-Plat Patで検索したところ、特許と実用新案が合計で6件、意匠1件、また半田郷を含め商標が207件出願されていました。商標件数が圧倒的に多く、ブランド力を高めていく戦略で事業展開をされているのかな、と思いました。

中埜酒造株式会社HP内 半田郷ページ:
旬を肴に、酒を酌む『半田郷』|中埜酒造株式会社 (nakanoshuzou.jp)

地元にはまだ知られていない美味しい物がたくさんあるのだなぁ、と少しわくわくした気分になりました。(マリーゴールド)

夏の星弥

  • 2021年08月12日

#商標

夕方になっても気温が下がらない暑い日が続いていますね。
太陽が沈み暮れ行く夕空を眺め夕涼みを楽しむという文化は、今の日本では薄れつつあるというより隔世の感を抱きます。
ただ、暗くなって夜の帳が降りると、天の川にそって北から南に向けて翼を広げて飛ぶ白鳥座は、変わらない姿を見せてくれます。

そんな夏の夜空をモチーフとした可愛らしいパッケージのお菓子を見つけたのでご紹介します。

夏の星弥

株式会社み乃龜「夏の星弥」

「株式会社み乃龜」は名古屋のおかきメーカーで「み乃龜」というロゴが商標登録されています。

み乃龜

商標登録番号:第3107725号
商標登録日 :平成7(1995)年 12月 26日
(タイム)

MAGNA-TILES

  • 2021年08月04日

#商標

 こんにちは、ヒロです。
 「MAGNA-TILES」というおもちゃで子供がよく遊んでいます。

MAGNA-TILES

 四角形または三角形のプレートの各辺に磁石が設けられていて、辺同士をくっつけることで平面や立体の色々な形にすることができます。強すぎず弱すぎず、ちょうど良い強さの磁力のため、手の力が弱い子供でも簡単にくっつけたり外したりして遊ぶことができます。

MAGNA-TILES

 パッケージの「MAGNA-TILES」の右肩に、登録商標を示すマーク(丸で囲ったR)があります。

MAGNA-TILES

 「MAGNA-TILES」は米国の商品のため、USPTO(米国特許商標庁)のTESS(Trademark Electronic Search System)で調べてみたら、文字商標「MAGNA-TILES」についていくつか登録されていました(登録番号:2654320、5622354、6247284、6323690)。

 そのうち登録番号が2654320のものは、指定商品・指定役務(Goods and Services)が「Manipulative toys, namely, blocks and puzzles(操作玩具、つまりブロックとパズル)」、出願日が「2002年2月6日」、登録日が「2002年11月26日」、現商標権者が「MVW HOLDINGS, INC.」となっています。

 「MAGNA-TILES」について日本で商標登録されていないかJ-PlatPatで調べてみたところ、登録番号「第5816110号」で登録されていました。こちらは、指定商品又は指定役務が「知育玩具,ブロックおもちゃ,積み木(おもちゃ)」、出願日が「2015年7月2日」、登録日が「2015年12月25日」、商標権者が「ピープル株式会社」(東京都中央区)となっています。

 さらに調べたところ、「MAGNA-TILES」は、ピープル株式会社が1992年に日本で販売開始した「ピタゴラス」という知育玩具の米国版(MVW社(前バルテック社)より1997年に販売開始)であるということがわかりました(ピープル株式会社:ピタゴラスとは?)。

 なお、商標「ピタゴラス」については、ピープル株式会社により1991年12月25日に日本で出願され、1995年5月31日に登録されています(登録番号:第2707566号)。

スパイスカレー

  • 2021年07月30日

#商標

 先日、ネットサーフィンをしていたところ、「印度カリー子」さんというスパイス料理研究家の、スパイスカレーのレシピに出会いました。

 彼女のレシピで使用するスパイスは、基本的に、「クミンシード」、「コリアンダーシード」および「ターメリック」の3つのみ(私は辛い食べ物が好きなので、「カイエンヌペッパー」を足します。)です。他の具材も、たまねぎ、トマト、ヨーグルトなど手軽に手に入れられるものだけです。それでいて、スパイスが香る本格的なカレーができあがるため、大変気に入り、リピートして作っています。この夏はスパイスカレーをたくさん食べて元気に乗り切りたいと思います。

 「印度カリー子」は、指定商品「カレー」等で商標登録されています(登録第6176763号、登録第6393357号)。(さくらもち)

樹脂製のアクセサリー

  • 2021年07月21日

#特許

長年の友人がUVレジンでアクセサリーをつくっています。
UVレジンとは紫外線で固まる特殊な樹脂液です。
好きな型に流し込んだUVレジン液の中に好きな小物を入れたり、UVレジン液そのものを着色した後、紫外線を当てて硬化させオリジナルのアクセサリーに仕上げます。

ひとくちにレジン液といっても、調べてみると固まりやすさや内包物への馴染みやすさ、丈夫さなど製造会社によってさまざまな技術があり製法特許も申請されています。
街の雑貨店や文具店などにいろいろな作成キットが売られていて目にする事もあると思いますが、簡単に作れるからこそ作成者のセンスが物を言う、なかなか奥の深い世界だなと感じます。
(スイマー)

オリジナルザッハトルテ

  • 2021年07月19日

#商標

ウィーンにあるホテル・ザッハーが、ザッハトルテを全世界送料無料で送るという、期間限定のキャンペーンをやっていることを知り、取り寄せてみました。

ザッハトルテは、チョコレート味のスポンジ全体をチョコレートでコーティングしたケーキですが、1832年に料理人のフランツ・ザッハーが考案し、後に次男のエドゥアルトが開業したホテル・ザッハーの、レストランとカフェで提供されたのが始まりだそうです。
レシピは門外不出でしたが、ホテルが財政難に陥った折に、ウィーン王室御用達の洋菓子店「デメル」が販売権を得ることになります。
その後、レシピは広く知られるようになり、ホテル・ザッハー側が、デメルを相手取って商標権の使用と販売の差し止めを求める裁判を起こしますが、7年に及ぶ裁判の結果、双方にザッハトルテの販売が認められます。
その結果、デメルのものは「デメルのザッハトルテ(Demel’s Sachertorte)」、ホテル・ザッハーのものは「オリジナルザッハトルテ(Original Sacher-Torte)」として売られています。

注文したオリジナルザッハトルテは、暑さにも耐えて無事に届きました。木箱にしっかり収まっていて、崩れることもありませんでした。

強~烈に甘く濃厚なケーキですが、酸味の利いた杏ジャムがスポンジの間に挟んであり、味のアクセントになっています。また、ホテルで供されるのと同じように、無糖ホイップを添えていただくことで、甘さが少し和らぎます。コロナ渦において、貴重な海外体験ができました。(シスぞう)

ザッハトルテ(Wikipedia)

共通テストと知財

  • 2021年07月07日

#知的財産

 知的財産の知識は大学入試に役立つでしょうか。2020年度センター試験の現代社会において、第4問の問5に、現代の情報通信技術に関する概念や法制度に関する記述として最も適当なものを4つの選択肢の中から選ぶ問題がありましたが、③は次のようなものでした。
 「③日本では、知的財産に関する事件を専門的に扱う裁判所は、設置されていない。」
 日本には知的財産高等裁判所(2005年設立)がありますから、この選択肢は誤りです。

 ある高等学校の「情報」の教科書には、「情報システムが支える社会」という章の「情報社会における法律」という節で、産業財産権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権)及び著作権の概要が説明されています。「情報」は、現在では受験科目ではありませんが、今年3月、「情報」が2025年以降の共通テストの教科に加わることが発表されました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210324/k10012933181000.html

 これにより、一般高校生の知的財産権に対する関心が多少は増えるかもしれません。ただし、大学入試センターが発表した「情報」のサンプル問題では、通信の基礎知識、プログラミング、統計処理の問題が選ばれています。知識の暗記よりも考える力が重視される傾向にある共通テストでは、知的財産権の知識問題が出る可能性は基本的に低そうです。しかし、国の政策次第で知的財産に対する世間での関心が高まれば、出題傾向にも影響があるかもしれません。(コナン)

鬼滅の刃関連の商標出願 その2

  • 2021年06月30日

#商標

 鬼滅の刃に登場するキャラクターの羽織の柄が商標出願されていることを以前に記事にしましたが、こちらの最初の審査結果が出ました。
  前回の記事:鬼滅の刃関連の商標出願

 義勇さん柄、しのぶさん柄、煉獄さん柄は、2021年6月3日に商標登録されました。(登録番号6397486,6397487,6397488)
 興味のある方は、J-PlatPatの「商標」より「商標番号照会」を選択し、登録番号欄に上記の番号を入れると詳細情報を見ることができます。
 個人的には、登録されるのであれば、しのぶさん柄、煉獄さん柄で、義勇さん柄は微妙かな、と思っていたので、わりと予想通りでした。義勇さん柄は、半々羽織なのが識別力に繋がったのかもしれません。
 また、同日付けで、「炭次郎」「禰豆子」「善逸」「伊之助」「義勇」のキャラクター名や、「全集中」「無限列車」「鬼殺隊」などが標準文字で商標登録されています。権利者はいずれも株式会社集英社です。

 一方、炭次郎柄、禰豆子柄、善逸柄は、拒絶理由が通知されました。適用条文は、いずれも第3条第1項第6号で、識別力がない、と認定されています。
 拒絶理由が通知された3つについては、出願人である集英社が応答する可能性も十分にありますので、引き続き、今後の審査動向を見ていきたいと思います。(マロン)