一年半前の特許出願

  • 2021年09月29日

#特許

 特許出願から一年半を経過すると公開公報が発行され、誰もが出願内容を知ることができるようになります。日本で初めて新型コロナウイルスの感染が確認されたのが2020年1月16日。その後、2020年1月後半から2月はコロナ禍の始まりの時期でした。ちょうどその頃の特許が最近公開されています。(2021年9月16日時点で、早期公開等の例外を除き、出願日が2020年3月6日頃までの特許出願が公開されています。)
 そこで、コロナ禍で多く用いられるようになった「三密」、「ソーシャルディスタンス」、「外出自粛」、「ステイホーム」、「不要不急」等の用語をいち早く記載した特許出願があるか調べてみましたが見つかりませんでした。出願から3、4か月で公開される実用新案公報の傾向から推測すると、コロナ関連用語が出願明細書に記載されるようになったのは、おそらく2020年4月頃の出願からだろうと思われます。

 では、2020年2月頃にどのような出願がされていたのかと検索画面を見ていたとき、偶然に目に入ったのが「株式会社ぐるなび」による、発明の名称が「情報処理システム、情報処理方法及びプログラム」等の出願でした。株式会社ぐるなびは、飲食店の予約やデリバリーの注文を受け付けるウェブサイト「ぐるなび」を運営している会社です。

 https://www.gnavi.co.jp/

 株式会社ぐるなびは、以前から情報処理関連の特許出願をコンスタントにしています。2017年~2019年の実績では、年70件程度、1か月平均5~6件程度の出願がされていました。それに対し、2020年1月23日から2月21日までの1か月間に前年平均の2倍に相当する12件の出願がされていたので気になりました。コロナとは直接関係無いかもしれませんが、何か戦略があったのでしょうか。コロナ禍の初期に各企業が様々な戦略を考えていたであろうことが、一年半後の今になって推し量られます。(コナン)

美味しさの技術

  • 2021年09月24日

#商標】 【#特許

 一正蒲鉾の「カリッこ」シリーズのお菓子が好きで、スーパーで売っていると、つい買ってしまいます。噛み応えのある堅めの食感で、ポリポリとついつい食べ進んでしまいます。いわし、えび、わかめ&ひじきの3種類がありますが、私はいわしがお気に入りです。

カリッこいわし

 裏面を見ると製法特許の特許番号が記載されていました。(特許第3816037号)

カリッこいわし

 魚の風味を生かしたカリカリ感のあるお菓子は、こうした技術によって支えられているのだと感じました。
 また、「カリッこいわし」や「カリッこ」は商標登録されています。

 この商品は、スーパーではお菓子コーナーではなく、かまぼこや魚肉ソーセージが売っているコーナーにあることも多いので、気になった方は探してみてください。(マロン)

KAKUSAN

  • 2021年09月17日

#商標

以前、友人から誕生日プレゼントでKAKUSANのフェイスローラー(美容用マッサージ器)をいただきました。

KAKUSANフェイスローラー美容用マッサージ器

早速使ってみたところ、第一印象は痛かったです。つねられながら引っ張られる感覚でした。
しかし、使い続けていると慣れてきて痛みはなくなりました。
最近は毎晩使っているので最初ほどの痛みはなく、手軽にテレビを見ながらコロコロしています。
「KAKUSAN」は2016年2月26日に商標登録されており(商標登録第5829303号)、権利者は中国の「深▲セン▼市カクサン有限会社」でした。

今はマスク生活のため顔を見せることは少ないですが、こつこつ続けたいと思います。
(うさぎ)

四谷千枚田の五平餅

  • 2021年09月08日

#商標

先日、車のお祓いのため豊川市の砥鹿神社へ行きました。
祈祷後のお下がりに五平餅セットをいただきました。真空パックになった五平餅と八丁味噌だれのセットです。
四谷の千枚田で作られたミネアサヒという米が使われていて、串は鳳来寺山近くの杉の辺材が使われています。食べ方のリーフレットの他に3つのパンフレットが同封されていて、生産者のたくさんのこだわりや想いが伝わってきます。

四谷千枚田の五平餅

J-PlatPatによると、串に焼き印された商品名「四谷千枚田」が商標登録出願されています。審査中ということで拒絶理由通知書に対する意見書を読んでみたところ、地域資源、観光資源である「四谷の千枚田」を通して地域おこしに貢献する出願人の姿を垣間見ることができました。
まだ訪れたことのない四谷の千枚田へ想いを馳せながら五平餅をいただきたいと思います。(カカオ)

商標登録出願:商願2019-167340(J-PlatPat)

Dynamic Random Access Memory (DRAM)

  • 2021年09月05日

#今日の発明】 【#特許

 今日、9月5日と関連の深い発明について紹介します。今回紹介するのは、アメリカ合衆国の電子工学者で発明家のロバート・デナード(Robert H. Dennard、1932.9.5~)が考案したDynamic Random Access Memory (DRAM)です。今日9月5日に、89歳の誕生日を迎えています。

 DRAMとは半導体メモリの一種です。放電すると情報が失われるため常にリフレッシュ(記憶保持動作)するための電力を消費することが欠点ですが、大容量かつ安価なため、コンピュータの主記憶装置、デジタルテレビ、デジタルカメラなどに広く使われています。
 現在ではコンピュータの主記憶装置はすべてDRAMになっています。近年では低消費電力に特化したDRAMも登場しています。

 私たちが毎日利用しているDRAMですが、これはデナードが1966年、IBMトーマス・J・ワトソン研究所で構想したものです。翌1967年には特許出願し、1968年に設定登録されました(US3387286A)。デナードは京都賞も受賞しています(2013年)。

 ちなみにトーマス・J・ワトソン研究所とはIBMの研究部門です。デナード以外にも、数学のブノワ・マンデルブロ、物理学の江崎玲於奈など数々の著名な科学者が在籍したことで知られています。

関連リンク:ロバート・デナード – Wikipedia

(blink)