取引先製品の発見

  • 2023年05月29日
#商標】 【#知的財産

先週、会社の定期健診で職場の近くの大きい病院へ行ってきました。健診で私が一番苦手な項目が「採血」です。針を刺す瞬間も血を抜かれているところも見たくないので、テーブルの上に置いてあったボックスを見て気を紛らわしました。ボックスには針を刺す前に使う消毒コットンが入っていました。よくよくそのボックスの蓋を見たら、当所で取引させていただいているオオサキメディカル株式会社の「アルウエッティ」という製品でした。

オオサキメディカル

オオサキメディカル株式会社は医療や介護の製品を多く製造・販売しており、日本だけでなく海外にも製品を広めています。
当所は、製品の名称やロゴの商標登録の出願のお手伝いをしています。テレビで注目されている知的財産部もあり、今後も世のためになる製品が開発されることを期待しています。(うさぎ)

オオサキメディカル株式会社ホームページ
https://www.osakimedical.co.jp/
アルウエッティ製品一覧
https://www.osakimedical.co.jp/products/csm002_005/
アルウエッティ公開公報
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/TR/JP-2002-099430/71176628B80000F0995BB36A0268F1A8EE61E4D09020C19E207F14D4754953D5/40/ja

ポテトバッグ

  • 2023年05月24日
#商標

 「ポテトバッグ」と「じゃがりこ バケ土」は、ベランダなどでも水やりだけで手軽にジャガイモが育てられるキットで、ホームセンターなどで販売しています。商品内容は肥料混合の栽培用の土ですが、インパクトのある見た目で、カルビーのブランド力を上手く活用していると感じます。
 我が家では、ポテトバッグを購入しました。種芋の「ぽろしり」も販売していましたが、普通のジャガイモでも大丈夫とのことでしたので、芽が出てしまったジャガイモを種芋として栽培しています。
 もう少ししたら、自分で育てたおいしいジャガイモが食べられると思うと楽しみです!(マロン)

ポテトバッグ

 「ポテトバッグ」はカルビーポテト株式会社、「じゃがりこ」はカルビー株式会社の商標です。また、「ぽろしり」はカルビーポテト(株)により種苗法による品種登録がされています。
 (参考URL)https://www.calbee.co.jp/newsrelease/221215.php

マンガで知る『知財』のお仕事

  • 2023年05月17日
#弁理士】 【#知的財産

 当ブログでも少し前に紹介されていたテレビドラマ「それってパクリじゃないですか?」、皆さんご覧になっていますか?

 私は毎週視聴しています。ちなみに私は普段ドラマを見ることはめったになく、特許事務所で仕事をしているということで「念のため」見始めただけだったのですが、内容が予想以上に作り込まれていて面白く、今では毎週録画してまで見ています(笑)。個人的には、企業知財部と特許事務所での目線の違いも勉強になっています。

 私はドラマを見てから原作の小説()を読み始めたのですが、こちらはすでにコミカライズ版も公開されています。今のところ無料で読めるようです。原作の小説をぐっと縮めたような感じで、あっという間に読めてしまいます。小説を読んでいる方は、コミカライズ版は後回しにした方がよいかもしれません。

 「それパク」のコミカライズ版を紹介した流れで、ほかにもマンガで「知財」のお仕事に触れられる作品がありますので、紹介します。

 それが、日本弁理士会が公開中の漫画「閃きの番人」です。こちらは企業知財部目線の「それパク」とは異なり、特許事務所目線で弁理士の日々の業務が描かれています。あの島耕作シリーズでおなじみの「ヒロカネプロダクション」が作画を担当しています。今のところ第6話まで公開されていますが、各話とも前編・後編に分かれていてテンポよく読めます。専門用語は「それパク」より多めですが、注釈も多く、不自由しません。

 「それパク」や「閃きの番人」のような一般の読者にも読みやすいマンガ作品とは趣が異なりますが、特許庁では「漫画審査基準 ~AI・IoT編~」というものを公開しています。こちらは「特許の専門家でない方も特許審査に親しんでいただきたい」などの「思いから、…特許の審査基準の基本的な考え方を漫画化」したものとなっています。「特許審査の基本的な考え方は他の分野とも共通するため、AI・IoT関連技術以外の分野に興味のある方」にも参考にしてほしいとのことです。

 特許庁ではマンガ「知財の歴史」というものも公開しています。これは特許、意匠、商標などの歴史的なエピソードを紹介するもので、初代特許庁長官の高橋是清や日本の十大発明家などが登場します。地域の図書館には子供向けの学習漫画で発明・発見を取り上げたものがありますが、こちらも同じような感覚で読める作品になっています。
(blink)

花も団子も

  • 2023年05月10日
#商標

 4月に愛知県岡崎市の桜まつりに行ってきました。

岡崎市の桜まつり

 これまでも何度か岡崎に行ったことはありましたが、今回は大河ドラマ「どうする家康」の影響か、岡崎城周辺は観光客であふれ、いつも以上に活気がありました。
 満開から数日経ってはいましたが、広い乙川沿いを歩きながら見る桜はとてもきれいでした。

岡崎市の桜まつり

 岡崎からの帰り道、老舗菓子屋「備前屋」さんの本店に立ち寄りました。
 子どものころから大好きな「手風琴のしらべ」を含むお菓子数点を購入し、ほくほくで家路につきました。
 桜を愛で、おいしいお菓子を食べて大満足の一日となりました。

手風琴のしらべ

 「手風琴のしらべ」は、1997年11月7日付け、指定商品「菓子及びパン」で商標登録されています(登録第3356611号)。

 なお、J-platpatによると、合名会社備前屋が現在保有する登録商標の中で、最も古いものは、1934年に登録された「古代葵」(登録第259544号)です。
 1934年から現在に至るまで大切に守られてきた、ブランドの歴史を感じます。次は、この商標が使用された「古代葵餅」を食べてみたいと思います。
(さくらもち)

コロナ時代と大学入学共通テスト

  • 2023年05月01日
#知的財産

 2020年1月後半にコロナ禍と呼ばれる時代が始まってから3年余り過ぎました。2020年1月は最後の大学入試センター試験が行われた時でもありました。翌2021年からはセンター試験に代わって大学入学共通テストが始まり、今年1月には3回目のテストが実施されました。まさにコロナ時代と歩調を合わせたかのように大学入学共通テストは年を重ねています。

 今年の現代社会の第1問の問7に、先進国で開発された「ある難病」の治療薬に係る特許権と開発途上国での治療薬の使用との関係について、適切な政策を問う問題が出題されました。

問題文抜粋

 先進国ではある難病の治療薬が開発され、死亡者数が著しく減ったのに対し、開発途上国は高価な治療薬を購入できず、また、特許料も高額であるため、それを支払って自国で製造することもできない。(中略)
 特許権保護は、治療薬の開発者が新薬開発に投資した莫大な資金を回収し、新しい研究開発を行う上で重要である。(中略)特許権者の利益を害することなく開発途上国の人々が治療薬を今すぐ使えるようにするためには、[  ]という政策が適切である。

 [  ]の中に入る正しい選択肢は以下のとおりです。

 世界保健機関などの国際機関が、先進国や慈善活動団体などから拠出された資金を用いて治療薬を購入し、開発途上国に供給する

 「ある難病」とぼかして書かれていますが、出題者が新型コロナウィルスを想定していることは間違いないでしょう。この問題は、2020年5月に当時の安倍首相が提唱しG7が検討に入ったと報じられた「ユニットエイド」の考え方に基づいて作られたものと推測されます。

 読売新聞オンライン – コロナ治療薬の「特許権プール」、国際機関仲介で大量生産…首相がG7で提案意向
 産経ニュース – コロナ薬普及へ特許共有を G7援助案も…実現には壁

 実社会での出来事から2年半が経過し、選択肢に対する評価が社会的に定着したタイミングで出題されたのではないでしょうか。知的財産に関わる者としては、このような試験問題を通じて受験生が特許制度に関心を持ってもらえれば嬉しく思います。(コナン)

 (注)イラストはイメージであり、大学入学共通テストの問題とは関係ありません。