開放特許の活用~知財ビジネスマッチング~

  • 2024年03月06日

#知的財産

 「知財ビジネスマッチング」という言葉を聞かれたことはありますか。
 自社の知的財産権は、必ずしも自社がオリジナルで作り出すとは限りません。他社の開放特許を利用して新たな商品を開発するという可能性もあります。使われていない休眠特許を保有している企業のシーズと、自社の商品開発に利用できる特許技術を求めている企業のニーズとを引き合わせて新たな知財ビジネスを創出することが知財ビジネスマッチングです。

ビジネスマッチング

 例えば中部経済産業局のホームページに、知財ビジネスマッチングのガイドブックが掲載されています。

https://www.chubu.meti.go.jp/b36tokkyo/sesaku/chizai_businessmatching/matching_toppage.html

 以前、CBCテレビ(中部地方の放送局)の番組「ゴゴスマッチングTV」でも、知財ビジネスマッチングの事例が紹介されました。

https://hicbc.com/tv/gogosumatchingtv/

ビジネスマッチング

 使われる企業によって、同じ開放特許の基礎技術が全く別の商品に利用される可能性があります。基礎技術と別の技術とを組み合わせて新たな発明が生まれることもあるようです。最近、知財ビジネスマッチングは、知財戦略の一つの形として注目されています。
 ご検討の際には弊所にご相談ください。(コナン)

みんなの森 ぎふメディアコスモス

  • 2024年02月07日

#商標】 【#知的財産

 こんにちは、ヒロです。
 子供の通う小学校・園から岐阜市展の案内があったため、家族で観覧してきました。会場は「みんなの森 ぎふメディアコスモス」です。「みんなの森 ぎふメディアコスモス」は、岐阜市立図書館を中心とする複合文化施設で、2015年に完成しました。

みんなの森 ぎふメディアコスモス みんなの森 ぎふメディアコスモス

 岐阜市展は、「みんなの森 ぎふメディアコスモス」1階の展示スペースで開催されていました。絵画、版画、毛筆など、岐阜市内の保育所・園、幼稚園、小・中学校、特別支援学校に通う子供たちの作品が多数展示されていました。残念ながらうちの子の作品の展示はありませんでしたが、達筆な毛筆作品、子供らしいタッチの絵や緻密な絵をたくさん見ることができて良かったです。

 さて、岐阜市展を観覧した後、2階にある図書館に行ってみました。木製格子状の天井やそこからぶら下がるいくつものかさ(グローブ)が美しく、とても快適で居心地の良い空間です。

みんなの森 ぎふメディアコスモス みんなの森 ぎふメディアコスモス

 この図書館には数年前に一度訪れたことがあるものの、そのときは利用しなかったので、今回、新規で利用カードを作り、本を借りてみました。知財実務系の本を6冊と、小・中学生向けの知財の本「学校で知っておきたい知的財産権①~③」を借りました。

みんなの森 ぎふメディアコスモス

 「学校で知っておきたい知的財産権①~③」は、2009~2011年まで特許庁長官を務めた細野哲弘氏(岐阜県生まれ)が監修しています。マンガや図、写真が多用されており、小学生や中学生でも理解しやすい内容になっています。知的財産権について学ぶことのできる本として、子供だけでなく大人の方にもおすすめです。

 「みんなの森」と「ぎふメデイアコスモス」は、41類「図書の貸与、美術品の展示…」、43類「展示施設の貸与…」を指定役務として商標登録されています(登録5522323号登録5522324号)。

「みんなの森 ぎふメディアコスモス」

宇宙教育のすすめ

  • 2024年01月31日

#知的財産】 【#著作権

JAXAの打ち上げた小型月着陸実証機(SLIM)が世界で5カ国目に月面着陸に成功しましたね。残念ながら着陸姿勢に問題があり予定していた月探査は難しいようですが、この先この計画がどうなっていくのか目が離せません。
ところでJAXAのサイトでは教育に使える様々な教材が無料で公開されています。使用には著作権、知的財産権における利用条件がありますので、よくお読みになりご家庭で挑んでみて下さい。
https://edu.jaxa.jp/materialDB/

画像は数年前にスマホで撮った月の写真です。何かが映り込んでますね。
(スイマー)

月

ハート形のぶどう

  • 2023年09月22日

#知的財産

ご近所の方から、ぶどうをいただきました。

マイハート

このところ毎年いただくぶどうで、岡崎市の駒立で購入されるそうです。
「マイハート」という粒がハート形をした珍しい品種で、種なしで皮ごと食べることができます。甘くて美味しく、綺麗なハート形を見つけるととても幸せな気分になります。毎年この時期のお楽しみとなっています。

マイハート

調べてみたところ、「マイハート」は志村葡萄研究所で開発された品種で、「シャインマスカット」と「ウインク」を交配させたぶどうでした。
私たちが交配した品種 – 志村葡萄研究所〜Shimura Grape Research Institute〜

優良品種は「品種登録制度(種苗法)」により保護することも可能です。
農林水産省の品種登録データ検索ページで調べてみると、「マイハート」の登録はありませんが、「シャインマスカット」と「ウインク」の登録がありました。

農林水産分野でも知的財産は重要です。
日本弁理士会のホームページでは知的財産を活用したアグリビジネスなど農水知財の概要を紹介しています。
知財を活用!農林水産ビジネス | 日本弁理士会

農水分野の知財についても弊所にお任せください。お問い合わせお待ちしております。

さて、岡崎市のぶどうといえば駒立が有名です。
ぶどう狩りは10月10日頃まで営業しているようなので岡崎方面でのレジャーを検討中の方、オススメですよ♪(カカオ)
岡崎駒立ぶどう狩り組合│岡崎市 駒立 ぶどう狩り

とよたエコフルタウン

  • 2023年09月08日

#知的財産

 先日、豊田市にある「とよたエコフルタウン」へ行ってきました。
豊田市は、SDGs達成のための活動をリードしていく「SDGs未来都市」に政府から選ばれています。
「エネルギー」「モビリティ」「ウエルネス」を重点に、SDGs達成に向けた取り組みを広げています。とよたエコフルタウンは、豊かな暮らしを目指す拠点であり、10年先、50年先を見据えた新たな取り組みの事例を体感できる施設です。

とよたエコフルタウン

 とよたエコフルタウンには、小型モビリティや、世界規模の課題問題、ドローン、豊田市の歴史、SDGsなどに関する展示があり、水素ステーション、植物栽培ユニット、オフグリッドトレーラーハウスなどの施設がありました。
また、空気中の水分を飲料水に変換し、1日4ℓ生成可能な装置も見ることができました。災害時の断水や清潔な水が飲めない新興国の水不足に期待できます。

 ものづくりのまちから、モノ、コト、ヒトがつくるまちへ、というビジョンと社会の方向性を知ることができ、さらに、50年後の豊田市という映像があり、50年後の社会を見るのはとても印象的でした。
内容が気になる方は、ぜひ、とよたエコフルタウンへお出かけください。(ラズベリー)

とよたエコフルタウン https://toyota-ecofultown.com/

INTA2023 in Singapore

  • 2023年06月21日

#商標】 【#知的財産】 【#知財イベント

 5月16日~20日にシンガポールで開催されたINTA2023に参加してきました。INTA2023は、INTA(International Trademark Association:国際商標協会)の年次総会で、世界各国から商標弁理士や特許弁理士などの知財関係者が多数集まるイベントです。今年は3,700以上の企業・組織から8,000人以上の参加登録があったそうです。

シンガポール INTA2023

 会場はサンズエキスポ&コンベンションセンター。屋上に巨大な展望プールのあるホテルとして有名なマリーナベイ・サンズの足元に隣接する国際展示場です。1階の展示ホールはとても広く、各国の知財関連ツールを提供する企業や知財事務所など、多くの企業・組織がブースを出展していました。会期中、私は、日頃お付き合いのある各国現地代理人とのミーティング、会場内外で出会った各国知財関係者との交流などでした。休憩中に声を掛けられたり、こちらから声を掛けたりして知り合った知財関係者との交流は、リアルで参加したからこそできた経験でした。

INTA2023 INTA2023

 シンガポールといえばマーライオン!ということで、ミーティングの後、マーライオン公園に立ち寄りました。実物のマーライオンは、大き過ぎず小さ過ぎず、色も形もイメージ通りでした。マーライオンの後ろにミニマーライオンが居たのは新しい発見でした。

マーライオン ミニマーライオン

 今回の出張中、空港や街中で見かけた人、会場内外で交流した人のほとんどがマスクを着けておらず、出発前の日本での状況との違いに正直戸惑いました。しかし同時に、コロナ禍前には普通で当たり前だった状況を思い出しました。今後は日本でもリアルでの交流が増え、様々な業界での経済活動も活発化してくると思います。弁理士の1人として、知財業界・産業界の盛り上がりに繋がるような活動をしていきます。(ヒロ)。

取引先製品の発見

  • 2023年05月29日

#商標】 【#知的財産

先週、会社の定期健診で職場の近くの大きい病院へ行ってきました。健診で私が一番苦手な項目が「採血」です。針を刺す瞬間も血を抜かれているところも見たくないので、テーブルの上に置いてあったボックスを見て気を紛らわしました。ボックスには針を刺す前に使う消毒コットンが入っていました。よくよくそのボックスの蓋を見たら、当所で取引させていただいているオオサキメディカル株式会社の「アルウエッティ」という製品でした。

オオサキメディカル

オオサキメディカル株式会社は医療や介護の製品を多く製造・販売しており、日本だけでなく海外にも製品を広めています。
当所は、製品の名称やロゴの商標登録の出願のお手伝いをしています。テレビで注目されている知的財産部もあり、今後も世のためになる製品が開発されることを期待しています。(うさぎ)

オオサキメディカル株式会社ホームページ
https://www.osakimedical.co.jp/
アルウエッティ製品一覧
https://www.osakimedical.co.jp/products/csm002_005/
アルウエッティ公開公報
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/TR/JP-2002-099430/71176628B80000F0995BB36A0268F1A8EE61E4D09020C19E207F14D4754953D5/40/ja

マンガで知る『知財』のお仕事

  • 2023年05月17日

#弁理士】 【#知的財産

 当ブログでも少し前に紹介されていたテレビドラマ「それってパクリじゃないですか?」、皆さんご覧になっていますか?

 私は毎週視聴しています。ちなみに私は普段ドラマを見ることはめったになく、特許事務所で仕事をしているということで「念のため」見始めただけだったのですが、内容が予想以上に作り込まれていて面白く、今では毎週録画してまで見ています(笑)。個人的には、企業知財部と特許事務所での目線の違いも勉強になっています。

 私はドラマを見てから原作の小説()を読み始めたのですが、こちらはすでにコミカライズ版も公開されています。今のところ無料で読めるようです。原作の小説をぐっと縮めたような感じで、あっという間に読めてしまいます。小説を読んでいる方は、コミカライズ版は後回しにした方がよいかもしれません。

 「それパク」のコミカライズ版を紹介した流れで、ほかにもマンガで「知財」のお仕事に触れられる作品がありますので、紹介します。

 それが、日本弁理士会が公開中の漫画「閃きの番人」です。こちらは企業知財部目線の「それパク」とは異なり、特許事務所目線で弁理士の日々の業務が描かれています。あの島耕作シリーズでおなじみの「ヒロカネプロダクション」が作画を担当しています。今のところ第6話まで公開されていますが、各話とも前編・後編に分かれていてテンポよく読めます。専門用語は「それパク」より多めですが、注釈も多く、不自由しません。

 「それパク」や「閃きの番人」のような一般の読者にも読みやすいマンガ作品とは趣が異なりますが、特許庁では「漫画審査基準 ~AI・IoT編~」というものを公開しています。こちらは「特許の専門家でない方も特許審査に親しんでいただきたい」などの「思いから、…特許の審査基準の基本的な考え方を漫画化」したものとなっています。「特許審査の基本的な考え方は他の分野とも共通するため、AI・IoT関連技術以外の分野に興味のある方」にも参考にしてほしいとのことです。

 特許庁ではマンガ「知財の歴史」というものも公開しています。これは特許、意匠、商標などの歴史的なエピソードを紹介するもので、初代特許庁長官の高橋是清や日本の十大発明家などが登場します。地域の図書館には子供向けの学習漫画で発明・発見を取り上げたものがありますが、こちらも同じような感覚で読める作品になっています。
(blink)

コロナ時代と大学入学共通テスト

  • 2023年05月01日

#知的財産

 2020年1月後半にコロナ禍と呼ばれる時代が始まってから3年余り過ぎました。2020年1月は最後の大学入試センター試験が行われた時でもありました。翌2021年からはセンター試験に代わって大学入学共通テストが始まり、今年1月には3回目のテストが実施されました。まさにコロナ時代と歩調を合わせたかのように大学入学共通テストは年を重ねています。

 今年の現代社会の第1問の問7に、先進国で開発された「ある難病」の治療薬に係る特許権と開発途上国での治療薬の使用との関係について、適切な政策を問う問題が出題されました。

問題文抜粋

 先進国ではある難病の治療薬が開発され、死亡者数が著しく減ったのに対し、開発途上国は高価な治療薬を購入できず、また、特許料も高額であるため、それを支払って自国で製造することもできない。(中略)
 特許権保護は、治療薬の開発者が新薬開発に投資した莫大な資金を回収し、新しい研究開発を行う上で重要である。(中略)特許権者の利益を害することなく開発途上国の人々が治療薬を今すぐ使えるようにするためには、[  ]という政策が適切である。

 [  ]の中に入る正しい選択肢は以下のとおりです。

 世界保健機関などの国際機関が、先進国や慈善活動団体などから拠出された資金を用いて治療薬を購入し、開発途上国に供給する

 「ある難病」とぼかして書かれていますが、出題者が新型コロナウィルスを想定していることは間違いないでしょう。この問題は、2020年5月に当時の安倍首相が提唱しG7が検討に入ったと報じられた「ユニットエイド」の考え方に基づいて作られたものと推測されます。

 読売新聞オンライン – コロナ治療薬の「特許権プール」、国際機関仲介で大量生産…首相がG7で提案意向
 産経ニュース – コロナ薬普及へ特許共有を G7援助案も…実現には壁

 実社会での出来事から2年半が経過し、選択肢に対する評価が社会的に定着したタイミングで出題されたのではないでしょうか。知的財産に関わる者としては、このような試験問題を通じて受験生が特許制度に関心を持ってもらえれば嬉しく思います。(コナン)

 (注)イラストはイメージであり、大学入学共通テストの問題とは関係ありません。

「知財」のお仕事

  • 2023年04月26日

#商標】 【#実用新案】 【#意匠】 【#特許】 【#知的財産

始まりました!ドラマ「それってパクリじゃないですか?」
原作の小説を読んでより一層ドラマが楽しみになっています。この原稿は第一話の放送後に書いていますが、ドラマ用に再構築されていて初回から原作と異なる部分がたくさんあり今後の展開がとても楽しみです。「特許は言葉を武器とした陣取り合戦」、「知財の仕事は誰かの作り出した汗と涙の結晶を守ること」という台詞が印象的でした。

ドラマ第一話ではまだ主人公の働く会社に知的財産部(知財部)がありません。第二話以降で新設される知財部の活躍がどのように描かれるのでしょうか?弁理士による監修ということでリアリティのある内容に仕上がっていると思うので、楽しみながら身になる知識が得られそうです。

原作には、~新米知的財産部員のお仕事~という副題が付いています。
知財部がなく開発部や総務部で兼任されている企業の方にとっても、「知財」のお仕事を理解する手助けになるのではと思います。弊所でも知財部の役割をより理解し、お客さまに必要とされるサービスを提供するために活用していきたいと思います。

それってパクリじゃないですか? それってパクリじゃないですか?

ところで、特許庁もこのドラマに注目してツイートしています。
撮影協力も行ったようで、特許庁の普段見られない場所が見られるそうです。こちらも注目ですね♪(カカオ)

原作|それってパクリじゃないですか?|日本テレビ
連続ドラマ化決定の話題作『それってパクリじゃないですか?』は「知財」のお仕事がよく分かる、極上のエンターテインメント小説 | 集英社オンライン
ちょっと一言 | CoffeeBreak | 日本知的財産協会
「明日スタートの日テレ系新水曜ドラマ「#それってパクリじゃないですか?」 皆さんの身近にある #知的財産 がテーマ! #知財 といえば #特許庁 !我々も応援します📣 実は・・・本作で撮影協力を行いました🎥 普段見られない場所もあるので、何話で特許庁が舞台になるかぜひご注目ください! #それパク」 / 特許庁Twitter