黒七味

  • 2023年10月25日

#商標

 七味といえば、赤ベースの色味のイメージがありますが、「黒七味」は、原料を煎って作られているものだそうで、本当に真っ黒に見えました。

原 了郭 黒七味

 木製の容器に「登録商標」の印刷があったので調べてみると、全体デザインだけでなく(第4224606号)、毛筆縦書き文字での「黒七味」も登録されていました(第5157375号)。第5157375号の登録情報を見てみると、「全体として『黒色をした七味唐辛子』の意味合いを容易に認識させるので、(中略)単に商品の品質を表示したものとして把握、認識されるにすぎないものとして認める」として、一度、拒絶査定となっていますが、その後の拒絶査定不服審判にて、「その全体をもって一種の造語として認識、把握されるとみるのが相当であり(中略)、自他商品識別標識としての機能を十分に果たし得る」とされ、登録審決となっていました。

 色+一般的な調味料としての七味、では、標準文字での登録は難しいと考えられますが、七味といえば通常赤なのに黒であり、かつ、縦書き毛筆文字という、いわば合わせ技で登録になったようです。

 お味は、香ばしく、一般的な七味よりも優しい辛さに感じられ、牛すじ煮にかけて美味しくいただきました。(マロン)

株式会社 原 了郭 「黒七味」
http://www.hararyoukaku.co.jp/lineup/yakumi.html

二段鍵盤ピアノ

  • 2023年10月20日

#今日の発明

 今日(10月20日)と関連の深い発明について紹介します。今回紹介するのは、まるでチェンバロのような二段鍵盤を備えたピアノ「エマヌエル・モール式ピアノフォルテ」です。

MIM Double Manual Piano CN5266

 1931年の今日は、ハンガリーの作曲家・ピアニスト・楽器発明家であるエマヌエル・モール(Emánuel Moór)が亡くなった日です。モールは5つのオペラや8つの交響曲などを遺した作曲家ですが、楽器の発明でも知られ、中でも二段鍵盤ピアノが有名です。

Emánuel Moór

 モール式ピアノは、片手で2オクターブの音程を掴めるように、鍵盤を上下2段に重ねたものです。私も若い頃ピアノを習っていましたが、確かに片手で2オクターブ幅の和音を出せれば、表現の幅がぐっと広がりそうな気がします。モールは欧米で行った演奏旅行で積極的にモール式ピアノを用いて普及に努めたとのこと。

 さらに調べてみたところ、二段鍵盤ピアノに関する記事を見つけました。その記事にはピアノという楽器の発達段階でさまざまな変形ピアノが開発されては消えていった経緯がコンパクトに紹介されています。

 普段、楽器を発明として捉えることは少ないと思いますが、楽器もまた、まぎれもなく発明の歴史、技術史の一部なのだなと感じました。(blink)

采女納言(うねめなごん)

  • 2023年10月11日

#商標

先日三重県に行った際、四日市の銘菓「采女納言」を購入しました。

采女納言(うねめなごん)

「采女納言」は、「なが餅」で有名な、三重県の「株式会社なが餅 笹井屋」さんが製造販売している商品で、水車小屋を象った最中の中に、粒あんと求肥が入っています。

采女納言(うねめなごん) 采女納言(うねめなごん)

食べるとほろほろっと崩れるほど繊細な最中、たっぷりの粒あん、やわらかい求肥の組み合わせが最高です。
あんがたっぷりで、1個で満足感を得られるのですが、しばらくするとまた食べたくなる、とても魅力的なお菓子です。

「采女納言」は、2009年3月6日付け、指定商品「菓子及びパン」で商標登録されています(登録第5211846号)。(さくらもち)

ドローンに関する特許

  • 2023年10月04日

#特許

 現在、ドローンは、空撮分野、測量分野、農林水産分野(農薬散布など)、点検分野(高所建造物の劣化点検など)、運搬・物流分野、防犯監視分野などで広く活躍しています。

ドローン

 国土交通省では、自然災害時の被災地における広範囲な情報の把握や初動対応の迅速化に向けて、汎用性の高いドローンの利活用を検討しています。今年4月の「ドローンの特許出願状況の調査分析」によると、2016~2020年のPCT出願(国際出願)の件数は、1位中国、2位米国、3位日本となっています。技術分野別には、機体構造、飛行制御、飛行支援、通信、ドローンポートシステム、用途などに関する出願があります。

 日本国内の出願をみても、2016~2021年に平均500件/年程度のドローン関係の発明が特許出願されています。その中には、火災現場においてドローンから消火用ボールを発射する「ボール発射装置」(第6918384号公報、特許権者 株式会社For Nature)の発明もあります。
 地球温暖化の影響により世界的に増加している山火事や、地震等の被災地で発生する火災に対しても、ドローンを利用した消火システムが有効に利活用されることを望みます。(コナン)

 <参考文献>
国土交通省 「行政ニーズに対応した汎用性の高いドローンの利活用等に係る技術検討会」
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/gijyutu/sosei_safety_tk2_000041.html

国土交通省 「ドローンの特許出願状況の調査分析(令和5年4月)」(PDF)
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/gijyutu/content/001603643.pdf