カスタマ―ハラスメントの問題に対して科学的手段により解決を図る特許発明について紹介します。
特許第7164793号「音声処理システム、音声処理装置及び音声処理方法」(特許権者:ソフトバンク株式会社)の発明では、顧客からコールセンターのオペレータへの電話での発話音声信号を音声処理装置が認識します。発話音声信号の中に聞き手を侮辱したり、聞き手の人格を否定したりする、聞き手を不快にする等の特定の単語列が検出された場合、特定の単語列が除去、又は、他の単語列に置換されます。また、顧客の感情が評価され、怒りレベルが高い場合、感情が抑制された合成音声が出力されます。これにより、オペレータのストレスが軽減されます。
特許第7384558号「有害行為検出システムおよび方法」(特許権者:株式会社日立システムズ)の発明では、例えば店舗での顧客から店員への悪質クレーム等の迷惑行為を有害行為検出システムが検出し、対応を支援します。店員が顧客から悪質クレームを受けた場合、情報端末は音声認識された音声データから有害行為の可能性を表すワードを検出し、サーバへ送信します。サーバは、悪質クレームの状態に関する判定を行い、悪質クレームの度合いが高い場合には、即時に警備員が派遣されます。
東京都では2025年4月1日からカスタマ―ハラスメント防止条例が施行されます。商品・サービスの提供者と顧客(消費者)とが相手の立場を相互に尊重し合い、カスタマ―ハラスメントの無い公正で持続可能な社会の実現が求められています。(コナン)