源氏物語と著作権

  • 2024年03月27日

#著作権

 今年、2024年の大河ドラマ「光る君へ」は、源氏物語などの著書として知られる紫式部が主人公です。紫式部は、平安中期の歌人、作家であって、実名や正確な生没年はわかっていません。ですが、著作権の保護期間は没後70年ですので、平安時代からは十分に時間が過ぎており、源氏物語などの平安時代の文学作品は、著作権が発生しておらず、パブリックドメインとなっています。ですから、大和和紀作「あさきゆめみし」のように、漫画化することも問題ありません。もちろん、源氏物語の著作権は切れていても、「あさきゆめみし」には著作権が存在しています。

源氏物語あさきゆめみし

 また、源氏物語には、現代語訳されたものも多くあります。最近ですと、瀬戸内寂聴訳や角田光代訳といったところが有名でしょうか。現代語訳されたものは、訳者に著作権があります。一方で、訳者も没後70年が経過した与謝野晶子訳や谷崎潤一郎訳の源氏物語は、パブリックドメインとなっており、与謝野晶子訳のものは「青空文庫」で読むことができます。(谷崎潤一郎訳は「作業中の作品」となっており、まだ読めませんでした。)
 これを機に、源氏物語のいろいろな現代語訳を読み比べるのも面白そうだな、と思いつつ、まずは、学生時代に途中で挫折した「あさきゆめみし」への再チャレンジから始めたいと思います。(マロン)

ぐい呑みと枡(ます)

  • 2024年03月26日

#特許

 弊所(服部国際特許事務所)で取れた特許に係る商品を紹介します。ぐい呑みと枡です。「枡」は日本酒や米の質量の計測に使ったり、清酒を入れる酒器としても楽しめるものです。

ぐい呑みと枡(ます)

 さらに蓋を付ければ、酒器としてのぐい呑みを収納する木箱にもなります。酒飲みには、酒を入れる器に枡を選ぶこともできれば、枡の箱から取り出したぐい飲みを酒器に選ぶこともできます。うれしい限り !(^^)!

ぐい呑みと枡(ます)

 その時の気分に応じて酒器を選ぶ楽しみも生まれるという具合です。ぐい呑みを土産に手渡すには、ぐい呑みを手渡す人や受け取る人の趣向に合わせた形状や絵柄に入れ替えることもできます。
 お酒に関心ある方への贈り物として、気の利いた上品で粋な商品です。こんな多用途多機能のお土産品はいかがですか?

ぐい呑みと枡(ます)
(図は特許公報から引用)

 日本酒ブームの昨今、日本酒PRのアイディアの集積品です。これは、日常の何気ないちょっとした工夫が特許になるという事例です(特許第7190194号)。なお、この商品は種子島焼の応援のために製作しました。(おにぎり)

点字ブロック

  • 2024年03月18日

#今日の発明

 今日(3月18日)と関連の深い発明について紹介します。今回紹介するのは、点字ブロックです。3月18日は、1967年、世界で初めて点字ブロックが設置されたことにちなみ、「点字ブロックの日」と定められています。

点字ブロック

 点字ブロックはよく目にするものの、日常風景の一部と化し、特に意識することは少ないかもしれません。日本弁理士会がダイバーシティ&インクルージョン推進を宣言(PDF)するなど社会的な意識も変容しつつある今、自戒の意味も込め、少し調べてみました。

 点字ブロックは、正式には視覚障害者誘導用ブロックというようです。いうまでもなく視覚障害者に歩行に必要な情報を提供するためのもので、歩道や床面に敷設されています。

 点字ブロックは、安全交通試験研究センターの初代理事長、三宅精一さんが1965年に発明しました。1967年3月18日、岡山県立岡山盲学校近くの旧国道2号、原尾島交差点の横断歩道付近に230枚の点字ブロックが世界で初めて設置され、これが、冒頭で紹介した「点字ブロックの日」制定につながります。

 点字ブロックはその有用性から多くの国々で採用され、設置が進みました。2012年には点字ブロックに関する初の国際規格ISO23599が整備されるに至ったようです。

 点字ブロックのような発明をもたらした先人たちに感謝するとともに、今後もこのような発明が数多く生み出され、世界が誰にとっても生きやすい場所になることを願ってやみません。(blink)

えちぜん鉄道

  • 2024年03月13日

#商標

昨年、福井県へ旅行に行きました。
さすがは恐竜王国。JR福井駅は、駅の中も外も恐竜であふれていました。

旅行中、「えちぜん鉄道」という福井県内を走る地域鉄道に乗る機会がありました。
えちぜん鉄道福井駅の外観は落ち着いた赤色で、構内は木がふんだんに使われており、とても素敵な駅舎でした。

えちぜん鉄道

ICカードは使えないということで、切符を購入して乗車します。

えちぜん鉄道 えちぜん鉄道

今回私は2駅しか乗らなかったのですが、「えちぜん鉄道」には、永平寺や勝山方面に向かう勝山永平寺線と、芦原温泉方面に向かう三国芦原線があり、観光にも便利そうなので、次回はぜひ「えちぜん鉄道」で、ゆっくり福井県内を巡りたいなと思いました。

「えちぜん鉄道」と、Eを図形化したと思われるマークは、2003年9月5日付けで「鉄道による輸送」等を指定役務として商標登録されています(登録第4706690号、登録第4706691号)。
(さくらもち)

開放特許の活用~知財ビジネスマッチング~

  • 2024年03月06日

#知的財産

 「知財ビジネスマッチング」という言葉を聞かれたことはありますか。
 自社の知的財産権は、必ずしも自社がオリジナルで作り出すとは限りません。他社の開放特許を利用して新たな商品を開発するという可能性もあります。使われていない休眠特許を保有している企業のシーズと、自社の商品開発に利用できる特許技術を求めている企業のニーズとを引き合わせて新たな知財ビジネスを創出することが知財ビジネスマッチングです。

ビジネスマッチング

 例えば中部経済産業局のホームページに、知財ビジネスマッチングのガイドブックが掲載されています。

https://www.chubu.meti.go.jp/b36tokkyo/sesaku/chizai_businessmatching/matching_toppage.html

 以前、CBCテレビ(中部地方の放送局)の番組「ゴゴスマッチングTV」でも、知財ビジネスマッチングの事例が紹介されました。

https://hicbc.com/tv/gogosumatchingtv/

ビジネスマッチング

 使われる企業によって、同じ開放特許の基礎技術が全く別の商品に利用される可能性があります。基礎技術と別の技術とを組み合わせて新たな発明が生まれることもあるようです。最近、知財ビジネスマッチングは、知財戦略の一つの形として注目されています。
 ご検討の際には弊所にご相談ください。(コナン)