旅先で発見した商標 ~ボンタンアメ~

  • 2025年06月13日
#商標

4月の初めに鹿児島県へ行ってきました。
滞在した3日間は毎日天気がよく、桜もまだ咲いており観光日和でした。

旅行に行くと毎回お土産を買うのですが、今回買ったお土産の1つが「ボンタンアメ」です。通常は14粒ほど入った箱なのですが、たまたま4粒入りの小さいものを見つけたのでそちらを購入しました。

ボンタンアメ

サイズがとてもかわいくカバンに入れておくのにちょうど良さそうでした。
ボンタンアメの箱を見ると「登録商標」と書かれていることに気が付きました。

ボンタンアメ

商標登録番号は記されていないのでJ-Plat Patで「ボンタンアメ」や「セイカ食品株式会社」と検索したところ6件ほどヒットしました。
その中に箱のデザインも登録されていました。1983年に出願されている商標で、商標公報(商標公告昭60-019179)は白黒でした。

地元以外の知的財産に出会えて一層楽しい旅になりました♪(うさぎ)

商標公報(商標公告昭60-019179)
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/TR/JP-1983-009399/40/ja
ボンタンアメ
https://www.seikafoods.jp/bontaname/

BRULEE

  • 2025年05月28日
#特許

 クレームブリュレとは、フランス語で「焦がしたクリーム」という意味で、プリンと似たデザートです。一般的なプリンとの違いは、表面に焦がした硬いカラメルが乗っている点です。

オハヨー乳業BRULEE

 オハヨー乳業の「BRULEE」は、本物のクレームブリュレのように表面にパリパリのカラメル層があるアイスクリームです。

オハヨー乳業BRULEE

 特許番号(特許第6732945号)が載っていたので調べてみると、発明の名称は「表面焼成食品およびその製造方法」で、物の発明と方法発明で権利化されていました。概要としては、アイスクリーム(第一の食品)とカラメル層(糖の加熱生成物の層)との間に、チョコレートなどの油脂を含む層(第二の食品)があることで、カラメル層のパリパリ感が維持されるようです。原材料表示を見ると、「チョコレートコーチング」が入っていましたので、これが特許請求の範囲にある「第二の食品」に相当すると考えられます。チョコレートが入っていてもチョコレート味にはならず、あくまでも「ブリュレ」であって、味を邪魔していないところに食品加工の技術力を感じながら、パリパリほろ苦のカラメルを噛みしめました。

 お値段はちょっとお高め(セブンイレブンで400円程度)ですが、これから暑くなる季節、頑張ったときのご褒美デザートに、また食べたいと思います。(マロン)

あつた宮餅

  • 2025年05月22日
#商標

「あつた宮餅」をご存じでしょうか?
毎月1日に愛知県名古屋市の熱田神宮(5、6、11月は秋葉山圓通寺)で開催されている、あつた朔日市(※)で販売され、市の名物となっているお餅が、「あつた宮餅」です。

あつた宮餅

このお餅のすごいところは、なんといっても、熱田の老舗4社(あつた蓬莱軒、きよめ餅総本家、妙香園、亀屋芳広)が共同開発したというところです。

あつた宮餅

見てください、「あつた宮餅」の包装紙に印刷された各社のロゴを。

あつた宮餅

あつた宮餅

「この4社が関わっているのなら、おいしさは保証されている」と思わせてくれる、絶大な信頼感です。
商標に蓄積された、各社の「歴史」と「信頼」をダイレクトに感じました。

中のお餅は、1箱5個入り(甘じょっぱいタレがついています)で、そのうち2個は月替わりとなっています。

あつた宮餅

今回購入したものは4月のもので、4月の月替わりのお餅は「花満開」というものでした。淡い桃色と黄緑が大変かわいらしいです。
他の月の「あつた宮餅」もぜひ食べてみたいです。

「あつた宮餅」は、「もち菓子」を指定商品として2017年3月17日付で「株式会社きよめ餅総本家」が商標登録しています(登録第5933143号)。

※あつた朔日市:https://atsuta-miyashuku.com/wp/tsuitachi/

貴社も大事な商品・サービス名を商標登録しませんか?
商標登録に関するご相談、ご依頼は、こちらからお気軽にどうぞ。
もちろん個人のお客様も大歓迎です。(さくらもち)

「マイナ免許証」とモバイル運転免許証

  • 2025年05月19日
#特許

 2025年3月24日からマイナンバーカードと運転免許証とが一体化された「マイナ免許証」の運用が開始されました。ちょうど免許証更新の時期であったため、私は、通常の免許証とマイナ免許証との両方を申請しました。運転免許試験場では、更新手続、視力検査、写真撮影、更新時講習を済ませると、通常の新免許証が交付されます。その後、マイナ免許証を希望する人は別の部屋へ行き、マイナンバーカードに免許証の電子情報を書き込んでもらいます。さらに当日の夜以降にマイナポータルにアクセスして連携を完了させることが必要です。

愛知県警察運転免許試験場

 ところで、通常の免許証にしてもマイナ免許証にしても、運転者の情報が書き込まれたICカードが発行されるという点では同じです。それに対し世界的には、スマートフォンに情報を書き込んでモバイル運転免許証として運用することが検討されているようです。特許第7003740号「モバイル運転免許証及び携帯端末装置」(特許権者:凸版印刷株式会社)の発明では、端末機認証サーバから携帯端末装置に、公開鍵と免許証情報とを結び付けて作成された公開鍵証明署名が与えられ、携帯端末装置がモバイル運転免許証となります。
 将来、自動車の完全自動運転が実現すれば運転免許証が無くなる時代が来るのかもしれませんが、それまで当分の間は運転免許証に関する技術開発が続くことでしょう。(コナン)

(参考サイト)
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/oshirase/individual_number.html

ミャクミャクさん♪~公式キャラの知財と二次創作~

  • 2025年05月15日
#商標】 【#意匠

大阪・関西万博、ついに開幕しました!
開催期間は半年にわたり、暑い夏の時期も含まれますが、しっかりと暑さ対策を講じて、大いに盛り上がってほしいですね。

公式キャラクターのミャクミャクさん♪
赤と青のインパクトに加え、目玉のようなものがたくさんあるという斬新なデザインに最初は少し不気味さを感じましたが、見慣れてきた今ではとてもカワイイと感じます。 ミャクミャクのグッズをデパートや書店などで見かけるようになりました。記念に何か欲しいなと思い調べてみたところ、カプセルフィギュアが発売されているのを発見!ミャクミャクさんのフィギュアです。これ絶対に欲しい!!
4月に再販されたようですが、なかなか見つからず・・・見つけてもすでに売り切れという状況です。

さて、公式キャラクターについて | EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイトでは、二次創作のガイドラインが掲載されています。
かわいいキャラクターほど、つい描いてみたくなるものですが、現代はSNSの時代ということもあり、紙に描いて友達同士で見せ合うよりも、SNSに投稿して共有したり、「推しキャラ」を応援したりする人が多いように感じます。
ただ、二次創作にはグレーな部分もあるため、このようにガイドラインを明確に示してもらえると、安心して創作活動が楽しめますし、作品が盛り上がれば、万博側にとっても大きなメリットとなることでしょう。

J-PlatPatで出願人「公益社団法人2025年日本国際博覧会協会」を検索したところ、意匠5件、商標60件がヒットしました。
ミャクミャクの姿は、アイコン用画像ぬいぐるみおもちゃとして3件の意匠権で保護されています。
また、ミャクミャクに関する商標も複数出願されており、基本的なイラスト(例:第6656708号) や標準文字の「ミャクミャク」「MYAKU-MYAKU」などは、なんと全45区分で登録されていました。商標も万全に保護されています。

ミャクミャクさんを描いて、このブログの挿絵に使おうかなと思ったのですが、ガイドラインによると許諾されているのは個人のSNSやブログへの投稿に限られているようで(あるいは個別に問い合わせが必要なので)、諦めました・・・。
いろいろなミャクミャクさんを眺めながら、万博の成功とカプセルフィギュアの再販を祈願することにします♪(カカオ)

【後日談】
本ブログ原稿を提出した後、ミャクミャクさんのカプセルフィギュアが手に入りました!!リバースカラーVer.です!かわいい・・・
公式ライセンス商品の売上の一部は万博のために活用されるそうです。
ガチャガチャを見つけて回してくれたうさぎさん、本当にありがとう♪

ミャクミャク

ミャクミャク

修正液

  • 2025年05月12日
#今日の発明

 本日(2025年5月12日)と関連の深い発明について紹介します。今回紹介するのは「修正液」です。
 5月12日は、修正液の発案者として知られるベット・ネスミス・グレアム(1924年3月23日-1980年5月12日)の命日です。

 1950年代のアメリカでは、タイプライターが普及していました。しかし、いったんタイプミスをしてしまうと、最初から打ち直さなければならなくなり、大変な手間がかかるため、タイプミスを簡単に修正できる方法が求められていました。

 タイピストであったネスミスは、銀行の窓に画家が絵付けする作業を見ていたときに、タイプ紙と同じ色で塗りつぶすことを思いついたといわれています。テンペラ画用の絵の具を混ぜて水彩ブラシで塗ると、上司がタイプミスに気付かないほどうまく修正できることを発見し、マニキュアボトルに入れて使い始めました。これが職場のタイピスト仲間の間で評判となり、1958年には、起業して「リキッドペーパー」の名で知られる製品の販売を始めました。

 これが端緒となり、修正液は全世界に普及しました。その後、日本でもさかんに改良されるようになり、今では修正テープ型の製品が広く用いられているのは周知の通りです。この辺りの事情がコンパクトにまとめられた記事をみつけましたので紹介します。

修正液

 ネスミスはまた、これまで見過ごされてきた顕著な活躍をした人物を再評価する試みの一環として、後年になってニューヨークタイムズに追悼記事が掲載されるなどしたほか、米国特許商標庁USPTOにも長文の顕彰記事が掲載されています。(blink)

カリフォルニアのお米 ~カルローズ~

  • 2025年04月23日
#商標

 こんにちは、ヒロです。
 最近、お米価格の高騰が続いていますね。先日、某会員制倉庫型店で米国産のお米が安く販売されていたため、試しに購入してみました。

カリフォルニアのお米、カルローズ

カリフォルニアのお米、カルローズ

 このお米「カルローズ」は、カリフォルニア州サクラメント・バレーで有名な、中粒種のジャポニカ米の一種とのことです。日本産のお米よりも、やや細長く見えます。炊き上がりを食べてみると、少し水分が少ないような気がするもののパサつきはなく、普段食べている日本産のお米によく似た食感・味に感じました。

カリフォルニアのお米、カルローズ

 お米の袋の中央には、稲穂を模した図形と円形・矩形の図形の上に「100% ORIGINAL」、「CALIFORNIA」、「RICE」の文字があしらわれた商標が表示されています。J-PlatPatで調べてみたところ、この商標と同一の登録商標が見つかりました。

カリフォルニアのお米、カルローズ

登録番号:第6176480号
登録日:令和1(2019)年8月30日
権利者:カリフォルニア ライス コミッション
指定商品:米国カリフォルニア州産の米

 この商標には商標法第4条第1項第16号(品質等誤認)の拒絶理由が通知されたようですが、指定商品を「米国カリフォルニア州産の米」と補正することで、最終的に登録に至っています。もしこの商標が、稲穂などの図形を含まず、「100% ORIGINAL」、「CALIFORNIA」、「RICE」の文字のみで構成されていた場合は、識別力がないと判断される可能性が高く、たとえ指定商品を補正したとしても、拒絶理由は解消できなかったものと思われます。

 弊所では、商標登録出願のご依頼をいただいた際には、審査時に想定される拒絶理由について、事前(出願前)に対応策や代替案などのアドバイスをお伝えするよう努めています。新たに商標登録出願をご検討中の方は、ぜひ弊所までご相談ください。

家計簿アプリ

  • 2025年04月15日
#意匠】 【#特許

 家計簿アプリをご存じですか?昔は家計簿というと専用ノートに支出項目ごと細かく書いて、時間と手間がかかりました。しかし今ではキャッシュレス決済連動の家計簿アプリが複数あります。その中でも私は数年前からマネーフォワードMEという家計簿アプリを使っています。

マネーフォワードME

 このアプリはクレジットカード等の各種電子決済サービスと連動させることができるため、記入する時間や手間がかかりません。現金を使った場合は、手入力でも記入できます。普段、現金しか使えないお店を除き、ほぼキャッシュレス決済としているので、使った分が自動的に家計簿アプリに登録され、毎月何にどれくらい使っているかを簡単に把握することができて便利です。

 こういったアプリには実は多くの特許や画面デザインの意匠が関係していて、マネーフォワードの家計簿アプリも特許第6534085号などの複数の特許で守られており、他社の模倣を防いでいるようです。

 最近はポイ活と呼ばれるポイントをためたり、ためたポイントを活用したりする人が増えていて、ますますキャッシュレス決済が進む世の中になっているので、ポイントや収支管理のアプリは今後も増えそうですね。(カモミール)

マネーフォワード ME|利用率No.1の家計簿アプリ

活版印刷機について

  • 2025年04月09日
#発明

何の気なしにテレビを観ていると、世界の発明を取り上げる番組が放送していました。
番組内では歴史的な発明にランキングを付けていて、その中で活版印刷機が第1位になっていました。

活版印刷

それまではひと文字ひと文字手書きで複製するしかない為一握りの人しか持てなかった本などの情報伝達手段が、印刷機の発明で一気に世の中の人達へ届き共有されるとは驚きだったと思います。もちろん紙を安価に入手できなければ大量複製はできませんが、それでも高価な羊皮紙へ手書きする時代から比べるとその安易さは雲泥の差ですね。
活版印刷機は日本に戦国時代に一度渡ってきたそうですが、その後忘れられ幕末に再び伝わりました。その後の近代化のスピードは目を見張るばかりです。大量に印刷された情報のおかげだったのかもしれません。

そういえば『チ。』という漫画がNHKでアニメになり先日まで放送されていましたが、終盤活版印刷機が重要なポイントになっていましたね。この漫画、今度は舞台化もされるようでちょっと観覧してみたいなと思っています。(スイマー)

ぷりんとぴあ | 第4話:グーテンベルクが発明した活版印刷術 | 日本印刷産業連合会

COMTEC PORTBASE(ポートベイス)

  • 2025年04月02日
#商標

2025年3月20日に、名古屋最大級のライブハウス型ホール「COMTEC PORTBASE(ポートベイス)」が開業しました。「PORTBASE」の文字とロゴは、服部国際特許事務所が商標登録のお手伝いをさせていただきました。

「COMTEC PORTBASE」は、三井ショッピングパーク「ららぽーと」のある、名古屋市港区の「みなとアクルス」に建設されました。開業前に近くを通ったので、外観を見てきましたが、エッジのあるその外観は船のように見え、運河沿いの立地にマッチしています。

COMTEC PORTBASE(ポートベイス)

東海エリアでは、愛知厚生年金会館が2008年に閉館、愛知県勤労会館が2010年に閉館、名古屋国際会議場(センチュリーホール)は2025年2月から2027年3月まで大規模改修のため臨時休場、Niterra日本特殊陶業市民会館は2028年3月に閉館予定と、同規模のイベント会場が不足しています。
先日のニュースによると、2023年のライブ公演数は、東京と大阪で過半数を占めるのに対し、愛知県は全体の7%にすぎず、いわゆる「名古屋飛ばし」が人口流出の一因にもなっているのではないかと指摘されているそうです。

この「COMTEC PORTBASE」の開業に続き、2025年7月13日には、老朽化したドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)に代わる施設として、「IGアリーナ」が名城公園にオープンします(開業式典は5月31日)。
イベント会場不足は徐々に解消しつつありますが、「名古屋飛ばし」という言葉自体はもっと前からあり、イベントの少なさは会場不足以外の要因もありそうです。

私は音楽ライブに行くのが大好きです。ライブ公演のほか、様々な文化や芸術に触れられる機会が増え、より豊かな街づくりに繋がっていくことを楽しみにしています。(シスぞう)

商標登録に関するご相談は、こちらから服部国際特許事務所まで是非どうぞ。

COMTEC PORTBASE https://portbase.co.jp/