ハッと一息!
弁理士、特許技術者、商標実務者、図面作成者、業務管理者が書き込みます
赤福朔日餅
少し前のことになりますが、知り合いから「朔日餅(ついたちもち)」をいただきました。
「朔日餅」とは、元日を除く毎月1日に、伊勢神宮へお参りする「朔日参り(ついたちまいり)」をする人々をもてなすために販売されている、季節にちなんだ月替わりの餅菓子のことです。
伊勢神宮のおはらい町にある赤福本店では、朔日餅を目当てに朝早くから多くの人が並ぶそうです。持ち帰りの場合は前日に配布される整理券が必要ですが、オンラインでの予約も可能で、三重・愛知・大阪・京都・兵庫のデパートでも取り扱いがあります。
赤福は三重県の定番のお土産ですが、朔日餅は月に一度しか販売がないので、特別感がありますね。(シスぞう)
赤福朔日餅 https://tsuitachi.akafuku.co.jp/okuru
赤福朔日餅、朔日餅は、4件の商標が登録されています(第1949801号、第2016873号、第2300175号、第2707540号)。
登録商標は身の回りにたくさんあります。何故なら、会社のロゴマークや、オリジナルの商品名、サービス名を商標登録して使い続けることで、大きなブランド力が備わるからです。知名度アップ、売り上げアップの効果が見込めるだけではありません。他人に商標登録されたり、粗悪品が販売されたりすることを防ぐ効果もあるので、どんなビジネスにおいても重要なものです。
御社の商標登録に関するご質問・ご相談は、「こちら」から服部国際特許事務所までお気軽にお寄せください。
キッズデザイン賞
先日、ネットサーフィンしていた時、「キッズデザイン賞」という言葉を目にしました。なんとなく「デザイン=意匠に関係していそう」と思い、記事「子供の近視を抑制『アイケアークリップ」キッズデザイン賞」を読んでみました。
キッズデザイン賞は子供たちが「安全に暮らす」「感性や創造性豊かに育つ」「子供を産み育てやすい社会をつくる」という目的を満たすために、製品・サービス・空間・活動・研究の中から優れた作品を選びます。広く社会に発信していくことを目的として、子供用デザインのほか、大人や一般向けに開発されたものでも、子供や子育てに配慮されたデザインであれば対象となるようです。
記事で紹介されていた「アイケアークリップ」は東京都のクリア電子株式会社が開発した商品です。特許や意匠も取得している会社かなと思いJ-Plat Patで検索した結果、予想通り特許2件、意匠4件、商標18件がありました。
また、「キッズデザイン賞\KIDS DESIGN AWARD」も商標登録されていました。(商標登録第5010693号、権利者:特定非営利活動法人キッズデザイン協議会)
キッズデザイン賞と知的財産が少し似ているように感じ、関心を持ちました。
子供たち、そして子育てをする家族のために役立つ発明で生活が豊かになるといいですよね。(うさぎ)
キッズデザイン賞(ホームページ)https://kidsdesignaward.jp/
黒七味
七味といえば、赤ベースの色味のイメージがありますが、「黒七味」は、原料を煎って作られているものだそうで、本当に真っ黒に見えました。
木製の容器に「登録商標」の印刷があったので調べてみると、全体デザインだけでなく(第4224606号)、毛筆縦書き文字での「黒七味」も登録されていました(第5157375号)。第5157375号の登録情報を見てみると、「全体として『黒色をした七味唐辛子』の意味合いを容易に認識させるので、(中略)単に商品の品質を表示したものとして把握、認識されるにすぎないものとして認める」として、一度、拒絶査定となっていますが、その後の拒絶査定不服審判にて、「その全体をもって一種の造語として認識、把握されるとみるのが相当であり(中略)、自他商品識別標識としての機能を十分に果たし得る」とされ、登録審決となっていました。
色+一般的な調味料としての七味、では、標準文字での登録は難しいと考えられますが、七味といえば通常赤なのに黒であり、かつ、縦書き毛筆文字という、いわば合わせ技で登録になったようです。
お味は、香ばしく、一般的な七味よりも優しい辛さに感じられ、牛すじ煮にかけて美味しくいただきました。(マロン)
株式会社 原 了郭 「黒七味」
http://www.hararyoukaku.co.jp/lineup/yakumi.html
二段鍵盤ピアノ
今日(10月20日)と関連の深い発明について紹介します。今回紹介するのは、まるでチェンバロのような二段鍵盤を備えたピアノ「エマヌエル・モール式ピアノフォルテ」です。
1931年の今日は、ハンガリーの作曲家・ピアニスト・楽器発明家であるエマヌエル・モール(Emánuel Moór)が亡くなった日です。モールは5つのオペラや8つの交響曲などを遺した作曲家ですが、楽器の発明でも知られ、中でも二段鍵盤ピアノが有名です。
モール式ピアノは、片手で2オクターブの音程を掴めるように、鍵盤を上下2段に重ねたものです。私も若い頃ピアノを習っていましたが、確かに片手で2オクターブ幅の和音を出せれば、表現の幅がぐっと広がりそうな気がします。モールは欧米で行った演奏旅行で積極的にモール式ピアノを用いて普及に努めたとのこと。
さらに調べてみたところ、二段鍵盤ピアノに関する記事を見つけました。その記事にはピアノという楽器の発達段階でさまざまな変形ピアノが開発されては消えていった経緯がコンパクトに紹介されています。
普段、楽器を発明として捉えることは少ないと思いますが、楽器もまた、まぎれもなく発明の歴史、技術史の一部なのだなと感じました。(blink)
采女納言(うねめなごん)
先日三重県に行った際、四日市の銘菓「采女納言」を購入しました。
「采女納言」は、「なが餅」で有名な、三重県の「株式会社なが餅 笹井屋」さんが製造販売している商品で、水車小屋を象った最中の中に、粒あんと求肥が入っています。
食べるとほろほろっと崩れるほど繊細な最中、たっぷりの粒あん、やわらかい求肥の組み合わせが最高です。
あんがたっぷりで、1個で満足感を得られるのですが、しばらくするとまた食べたくなる、とても魅力的なお菓子です。
「采女納言」は、2009年3月6日付け、指定商品「菓子及びパン」で商標登録されています(登録第5211846号)。(さくらもち)
ドローンに関する特許
現在、ドローンは、空撮分野、測量分野、農林水産分野(農薬散布など)、点検分野(高所建造物の劣化点検など)、運搬・物流分野、防犯監視分野などで広く活躍しています。

国土交通省では、自然災害時の被災地における広範囲な情報の把握や初動対応の迅速化に向けて、汎用性の高いドローンの利活用を検討しています。今年4月の「ドローンの特許出願状況の調査分析」によると、2016~2020年のPCT出願(国際出願)の件数は、1位中国、2位米国、3位日本となっています。技術分野別には、機体構造、飛行制御、飛行支援、通信、ドローンポートシステム、用途などに関する出願があります。
日本国内の出願をみても、2016~2021年に平均500件/年程度のドローン関係の発明が特許出願されています。その中には、火災現場においてドローンから消火用ボールを発射する「ボール発射装置」(第6918384号公報、特許権者 株式会社For Nature)の発明もあります。
地球温暖化の影響により世界的に増加している山火事や、地震等の被災地で発生する火災に対しても、ドローンを利用した消火システムが有効に利活用されることを望みます。(コナン)
<参考文献>
国土交通省 「行政ニーズに対応した汎用性の高いドローンの利活用等に係る技術検討会」
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/gijyutu/sosei_safety_tk2_000041.html
国土交通省 「ドローンの特許出願状況の調査分析(令和5年4月)」(PDF)
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/gijyutu/content/001603643.pdf
お月見
もうすぐ「お月見」ですね。
「お月見」は一年で月が最も美しい日に行われる行事で、行われる日にちは暦に基づき毎年違い、今年(2023年)は9月29日(金)です。
秋の月が一年で最も美しいのは、空気中の水蒸気が少なく月がよりクリアに見え、月の見える高さがちょうどいい等の理由があるそうで、その月を「中秋の名月」といいます。
「お月見」は、「中秋の名月」を鑑賞しながら農作物の収穫に感謝し、豊作を祈ります。
先日、「お月見」にちなんだかわいらしい絵柄の箱の和菓子を見つけました。名古屋の老舗和菓子店「両口屋是清」の新商品『ささらがた 月見』です。
5本1セットの箱には、満月・うさぎ・すすきがあしらわれ、夜空に浮かぶ大きな満月を見上げ「お月見」をしているうさぎ達の様子が表現されています。(タイム)
●登録商標:
標準文字商標:ささらがた
登録番号 :第5528598号
登録日 :平成24(2012)年 10月 19日
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/TR/JP-2012-028325/E50EC86B647DBB4719B95C4B948BABA589C69DE91E8C4FFF3A247D049AC633B5/40/ja
ハート形のぶどう
ご近所の方から、ぶどうをいただきました。
このところ毎年いただくぶどうで、岡崎市の駒立で購入されるそうです。「マイハート」という粒がハート形をした珍しい品種で、種なしで皮ごと食べることができます。甘くて美味しく、綺麗なハート形を見つけるととても幸せな気分になります。毎年この時期のお楽しみとなっています。
調べてみたところ、「マイハート」は志村葡萄研究所で開発された品種で、「シャインマスカット」と「ウインク」を交配させたぶどうでした。
私たちが交配した品種 – 志村葡萄研究所〜Shimura Grape Research Institute〜
優良品種は「品種登録制度(種苗法)」により保護することも可能です。
農林水産省の品種登録データ検索ページで調べてみると、「マイハート」の登録はありませんが、「シャインマスカット」と「ウインク」の登録がありました。
農林水産分野でも知的財産は重要です。
日本弁理士会のホームページでは知的財産を活用したアグリビジネスなど農水知財の概要を紹介しています。
知財を活用!農林水産ビジネス | 日本弁理士会
農水分野の知財についても弊所にお任せください。お問い合わせお待ちしております。
さて、岡崎市のぶどうといえば駒立が有名です。
ぶどう狩りは10月10日頃まで営業しているようなので岡崎方面でのレジャーを検討中の方、オススメですよ♪(カカオ)
岡崎駒立ぶどう狩り組合│岡崎市 駒立 ぶどう狩り
特許多腕人間方式 -海野 十三-
弁理士が主人公の小説を紹介します。タイトルは「特許多腕人間方式」、昭和初期の作家「海野 十三(うんの じゅうざ)」による小説です。
海野 十三(本名:佐野 昌一)は、ミステリー小説やSF小説を数多く発表し、「日本SF小説の父」と呼ばれています。海野氏は、作家デビュー後の昭和11年(1936年)、39歳のときに弁理士の資格を取得し、その2年後に「佐野電気特許事務所」を開設しています。
「特許多腕人間方式」は、海野氏が44歳のとき、昭和16年(1941年)に発表された作品です。特許事務所を経営する弁理士のもとに1人の発明家が訪れ、「3本目の腕」に関する特許出願の依頼をするところから話が始まります。弁理士が、出願手数料および出願印紙料として発明家から受け取った百円紙幣(当時は大金)と対話(一人二役)しながら出願用の明細書を書き進めるという、ユーモラスかつシュールな場面が出てきます。特許請求の範囲の記載の中で「少なくとも」という表現を使い、特許範囲(権利範囲)を拡大したとして弁理士の腕前を披露する場面や、出願後に拒絶理由通知書が届き、審査官と面会し、拒絶理由の解消に奮闘する場面もあります。現在の弁理士実務にも通じるものを感じます。

全体的にユーモアが散りばめられており、オチもなかなか。短編小説のため、あっという間に読み終えました。
この作品は、海野氏の死後50年以上経過しており、著作権の保護期間が満了しているため、青空文庫などで自由に読むことができます(ヒロ)。












