アメリカの人気歌手、テイラー・スウィフトさんが、米国特許商標庁(USPTO)に対し、自身の「声(HEY, IT’S TAYLOR SWIFT.)」と「ライブ画像」を商標として出願したことが話題となっています。
昨今のAI技術の進歩は目覚ましく、著名人の声や顔を驚くほど精巧に模倣できるようになりました。インターネット上では、これらを悪用して投資を煽る広告やディープフェイク画像が氾濫しており、深刻な社会問題となっています。
これまで、著名人の氏名や肖像を保護する権利として、「パブリシティ権」が議論されてきました。これは、個人の氏名や肖像が持つ経済的価値を保護する権利ですが、その適用範囲や判断基準は国や州によって曖昧であり、特に「AIによる生成物」に対してどこまで対抗できるかは、依然として法的な議論が続いています。
また、「著作権法」でも、特定の楽曲や写真は保護できますが、「本人に似せただけの声(AI生成音声)」などは規制しにくいという限界がありました。
そこでテイラーさんは、自身の象徴的なフレーズやライブ画像を「商標」として登録する戦略に出ました。 商標法であれば、権利の対象が明確であり、「同一」だけでなく「類似(似ているもの)」まで広く規制の対象となります。あらかじめ商標権として権利を確定させておくことで、AIによる無断利用に対して、より強力かつ直接的な法的手段を確保する狙いがあると考えられます。
「音の商標」は日本でも2015年から認められています。 今後、日本でも「声を聴けばその人と分かる」ような特徴を持つ著名人が、ブランド防衛の新たな形として、パブリシティ権だけでなく「商標登録」という選択肢を選ぶケースが増えていくかもしれません。(カモミール)
Trademark search (HEY, IT’S TAYLOR SWIFT.)
Trademark search (ライブ画像)