一酸化炭素中毒の解毒剤

  • 2023年03月01日
#発明

 最近、新聞で気になる記事をみかけましたので紹介します。『ガス中毒「特効薬」期待』(副題:同志社大学開発 COなど解毒化合物)という記事です。

火災ガス中毒「治療薬」開発 同大など(読売テレビニュース)

 記事によると、一酸化炭素(CO)やシアン化水素によるガス中毒を解毒する化合物を、同志社大学の北岸宏亮教授(有機化学)らのチームが開発したとのこと。火災で死因の多くを占めるガス中毒に対する「特効薬」として、救急現場などでの実用化を目指すとしています。

 北岸教授が所属する同志社大学のホームページにもプレスリリースが載っています。この研究成果は米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載予定で、オンラインでは日本時間2023年2月21日に公開されるようです。論文へのリンクも紹介されていますので、興味のある方は覗いてみて下さい。オープンアクセス論文なので無料で閲覧可能、ダウンロードもできます。

 記者発表があったということはすでに特許出願された筈と思い、特許庁の公報検索システムJ-PlatPatで公報を検索してみました。するとその名も「シアン解毒剤」という登録公報がありました。意外なことに権利はすでに消滅し、パブリックドメインとなっています。
・「特許第5619500号」(2010年7月12日出願、2014年9月26日登録、2019年9月26日年金不納による抹消)

 また、Googleで検索すると、2010年頃から北岸教授ら同志社大学のグループや川口章教授ら東海大学のグループが火災時に発生する有毒ガスに対する解毒剤の研究を進めてきた経緯があるようです。つまり、かなり前から研究が進められてきている化合物の最新版が発表され、今回の記事となったようです。

 解毒剤というと地下鉄サリン事件で知られるようになったアトロピンを連想してしまいますが、一酸化炭素中毒にも解毒剤があり得るのか!と少し意外な感じがしました。
 火事などで発生する一酸化炭素は無色無臭で、いつの間にか死んでしまうという恐ろしいイメージがあります。少しでも早く救急現場での解毒剤使用が実現し、一人でも多くの人命が助かるように願わずにはいられません。(blink)

ぱっと目を引くロゴマーク

  • 2023年02月22日
#商標

 この記事が掲載される頃には終わってしまっていますが、2月といえばバレンタインデーですね。
 私は、各デパートで開催されるチョコレートフェアを、毎年とても楽しみにしています。特に今年は、昨年から気になっていたチョコレートがあったので、フェアが始まってすぐ、デパートに足を運びました。
 ずっと気になっていたチョコレート、それは、和菓子屋さん「鈴懸」がバレンタインの時期だけ販売する「鈴乃トリュフ」です。

鈴懸 鈴乃トリュフ

 上記の写真のとおり、抹茶、ほうじ茶、玄米、の3種の味のトリュフが、色とりどりのお花が描かれたとてもかわいらしい箱に収まっており、見ても食べても幸せな気分になるチョコレートでした。

 ところで、鈴懸さんでお菓子を買うと、下記のマークが付された紙袋に購入品を入れてくれます。

鈴懸 鈴乃トリュフ

 象形文字のような「菓」の字がぱっと目を引くので、このロゴマークに見覚えがある人は多いのではないでしょうか?
 この紙袋を持っている人を見ると、「私も買おう・・・」と、足が自然とお店に向くので、(少なくとも私にとっては)宣伝効果抜群のロゴです。

 「菓」のロゴマークは、指定商品「菓子」などで商標登録されています(登録6059376号 等)。
(さくらもち)

盆栽 BONSAI

  • 2023年02月15日
#意匠

先日、高松市の盆栽センターで育てられた黒松の盆栽が2年の栽培管理期間を経て、EUへ輸出されるというニュースをみました。海外でとても人気のある日本の盆栽ですが、病害虫に対する検疫の観点から、EUでは輸出の条件が2年という期間だったようです。

ちなみに盆栽は、個人の美感に訴えるよう手入れをしてできる作品となります。しかし、自然物を使用するもので量産できるものでないので意匠登録の対象にはなりません。

盆栽

写真は実家の庭に60年前からある楓の盆栽です。
(スイマー)

名古屋ドーナツ

  • 2023年02月08日
#商標

 先日、名古屋ドーナツをいただきました。パッケージは鯱とお城のロゴがとても可愛いです。さらに、ドーナツは、小倉マーガリン味で、美味しく、名古屋名物としてお土産にとてもいいなと思いました。この名古屋ドーナツはメイホウ食品株式会社の商品です。多数の商品があり、どら焼きや饅頭も気になります。

名古屋ドーナツ

 商標登録を調べてみると、名古屋ドーナツは登録されていませんでしたが、多数の商品名のうち4件が登録されています。
 名古屋ドーナツは、いい名前ですが、商標登録をするのは難しいのかなと思いました。メイホウ食品株式会社の登録商標に「ミルキーマジック」があります。この「ミルキーマジック」は、牛乳の味が変わるストローの商品であり、このストローで牛乳を飲んでみたいなと思いました。(ラズベリー)

大切なペットの命を守る~日本動物高度医療センター

  • 2023年02月01日
#商標】 【#特許

 2ヶ月程前、私の家の犬(オス11才)の体調が悪そうだったので受診したところ、かかりつけの獣医から精密検査のために日本動物高度医療センターを紹介されました。

動物病院

 日本動物高度医療センターでは、専門診療分野の獣医師が専門の医療機器を用いて、疾患動物にとって最適な検査・診断・治療を提供します。
   https://www.jarmec.co.jp/

 日本動物高度医療センター(Japan Animal Referral Medical Center)の略称である「JARMEC/ジャーメック」、及び、日本動物高度医療センターのマークは、「動物の治療」を指定役務として商標登録(第5075207号、第5922959号)されています。また日本動物高度医療センターは、「イヌのがん細胞に対する増殖抑制剤」の発明について特許(第6840886号公報)を取得しています。

JARMEC商標

 精密検査の結果、幸い私の家の犬には腫瘍等の異常は認められず、ひとまず経過観察と診断されました。薬の投与で指標数値も改善され、現在は元気に暮らしています。(コナン)

診察

 (注)イラストはイメージであり、日本動物高度医療センターとは関係ありません。

エレキソルト

  • 2023年01月25日
#商標】 【#特許

 「エレキソルト」は、減塩食品の塩味を約1.5倍に増強させるスプーン型、お椀型のデバイスで、明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科の宮下芳明先生の研究室とキリンホールディングス株式会社による共同研究で開発されたものです。現在は、実証実験中、2023年の発売を目指しているそうです。

 エレキソルトは、独自の電流波形の電気味覚技術を搭載し、スプーンやお椀に微弱な電流が流れることで効果を発揮するものです。年末年始にテレビを見ていたところ、いくつかの番組で取り上げられていて、注目しています。

 特許がありそうだな、と思い調べてみたところ、出願人が学校法人明治大学、宮下芳明先生が発明者になっている電気味覚関連の出願が2件ありました。(特開2021-045399、特開2019-212799)
 また、「エレキソルト」の商標が、キリンホールディングス株式会社から出願されており、現在審査中のようです。(商願2022-088846)

 塩分摂取過多と言われる日本人。最初は医療、介護分野からの導入になりそうですが、手頃な価格で買えるようになったら、ぜひ試してみたいと思います。(マロン)

参考記事:明治大学 2022年度プレスリリース

2022年大ヒットしたアレ

  • 2023年01月18日
#意匠

ヤクルト1000飲んだことありますか?
入手困難になるほど話題になっており、コンビニやスーパー、薬局などを巡りましたが売り切れ状態でした。
CMで流れているように「ストレス緩和」「睡眠の質向上」などの効果が本当にあるのか気になりどうしても飲んでみたかった時、ヤクルトレディーが毎朝当事務所の玄関まで来ていることに気づき購入することができました♪

ヤクルト1000

見た目は通常のヤクルトより大きい容器に入っていて味は少しだけ濃いように感じます。
本当に「ストレス緩和」「睡眠の質向上」したのか、プラシーボ効果なのかはわかりませんが睡眠の質に関してはなんとなく向上しているように個人的に感じました。

ヤクルト1000は株式会社ヤクルト本社の製品で上記写真の容器は意匠登録されています。(意匠登録第1648553号)
毎日飲み続けると耐性がつき、効果が感じられなくなるのを考慮して私は平日だけ飲むようにしています。(うさぎ)

<参考>
Yakult(ヤクルト)1000/Y1000
意匠登録第1648553号|J-PlatPat [JPP] (inpit.go.jp)

遠赤グラファイトヒーター

  • 2023年01月11日
#特許

 私の住んでいる名古屋は、めったに雪も降らず、寒さに弱い私も年中過ごしやすいのですが、12月に入ってから冷え込むことが多くなってきました。
 自宅のリビングはエアコンのおかげで快適ですが、入浴時や明け方しか使わない脱衣所・洗面所の寒さは長年の課題でした。短時間しか使わないのに…という抵抗感もあってずっと我慢していたのですが、ついに、新聞のチラシで見つけた遠赤グラファイトヒーターをスポット暖房用に購入しました。

アラジン遠赤グラファイトヒーター

 今回購入したのは、アラジンブランド遠赤グラファイトヒーター(2灯管)です。レトロな外観ながら、衣服が触れると自動で電源OFFする装置も付いています。さっそく使ってみると電源を入れた瞬間、離れた場所でもすぐ暖かくなり、はだかでも大丈夫そうです。今までの極寒の地が嘘のように快適になり大満足です。
 ちなみに遠赤ヒーターが届けられた数日後、名古屋ではいきなり初雪(しかも8年ぶりの積雪10cmを記録する冷え込み)となったのですが、遠赤ヒーターのおかげで何事もなかったかのように過ごすことができました。


画像はウェザーニュースより

 現在、アラジンブランドの家電を販売しているのは株式会社千石という会社です。少し前に、特許庁の広報誌「とっきょVol.51」に記事が掲載されていたので紹介します。
 それによると、付き合いのあった大手企業から“超高性能ヒーターの特許技術を買いませんか?”と勧められたということで、その技術を買い取ったことが社業の転機になった経緯が紹介されています。
 もともとは家電OEM専業であった株式会社千石ですが、技術力を高めるうち、「社内にないリソースは外部から取り込む」との経営方針の下、事業譲渡により取得した特許技術を活用し、成長してきたとのこと。

 株式会社千石のHPには同社の特許第4739314号が紹介されています。J-PlatPatで検索すると、特許第5383741号(特許第4739314号の分割出願)という関連特許もあるようです。これらの公報を参照すると、(公報発行時点で)「特許権者 パナソニック株式会社」となっていますので、上記の「大手企業」とはパナソニック株式会社であったようです。
 現在、特許の約半数が未利用特許(PDF)であるとも云われ、いわゆる宝の持ち腐れであることが問題となっています。ある発明に特許権が与えられている以上、特許権者等以外はその発明を実施することができないため、未利用のままの特許権の存続期間中(最長で約20年)、出願公開後の先行技術文献としての資料的価値以外は発揮されないことになります。これは大きな社会的損失とも考えられます。
 その意味でも、アラジンブランドと株式会社千石の歩みは大いに参考になりそうです。(blink)

デアバウムクーヘン

  • 2023年01月05日
#商標

昨年のクリスマスはユーハイムの「デアバウムクーヘン」を家族へ贈るお菓子として購入しました。
以前より気になっていたものの購入する機会がなかったのですが、たまたま見かけたテレビ番組で紹介されていて今年のクリスマスはこれだ!と即決しました。

ユーハイム「デアバウムクーヘン」 ユーハイム「デアバウムクーヘン」

外箱がクリスマス仕様になっていて可愛らしいです。
でこぼこした山型フォルムが魅力的なデアバウムは、昔のままの配合と製法で焼き上げられているそうです。画像の原材料名を見て分かるように、マーガリンやショートニング等の植物油脂を使わず、バターを使い、膨張剤等の食品添加物を使用せず、自然の材料だけを使って作られていて、安全・安心なお菓子作りに対する強いこだわりを感じます。

ユーハイム「デアバウムクーヘン」

本社は神戸市にありますが、実は愛知県安城市に中央工場があります。
ユーハイムのお菓子が安城市のふるさと納税の返礼品に採用されていることを初めて知りました。

ユーハイムは、創始者カール・ユーハイムが日本での永住を決意し、横浜で日本における1号店をオープンしてから100周年になります。
創業100周年にあたる2009年には、外箱に印刷されている「SEIT 1909」を含むユーハイムのロゴとデアバウムのでこぼこを表現したような図柄が商標登録出願されています。(登録第5299158号

ユーハイム

クリスマスにはケーキにチキン・・と食べすぎてしまったので、デアバウムを家族でいただくのはもう少し後になりそうです。とても楽しみ♪(カカオ)

ユーハイムの歴史 | ユーハイム | Juchheim
ユーハイム  デア バウム (L) | お礼品詳細 | ふるさと納税なら「さとふる」 (satofull.jp)

キャラメルパッケージで「3Dアート」

  • 2022年12月28日
#商標

ポップコーンのフレーバーとしても人気のキャラメルですが、たまにキャラメルそのものを食べたくなります。
キャラメルといえば何といっても黄色い箱の「森永ミルクキャラメル」を思い浮かべます。
箱のデザインも歴史を感じさせ見ていて面白いのですが、久々に購入したところ「3Dアート」が楽しめるパッケージになっていました。

キャラメルパッケージで3Dアート

外側のフィルムに人や動物の絵が印刷されており、箱の内側に印刷された背景と重ね合わせることで奥行きのある空間を演出しています。
シンプルですが心躍る仕掛け。素晴らしいアイデアに脱帽です。

このパッケージは、2022年「日本パッケージデザイン大賞2023」の菓子部門 銅賞を受賞しました。(タイム)

●登録商標:
登録番号:第89075号
登録日 :大正6(1917)年 11月 6日