冷却リング

  • 2022年10月05日
#特許

 この夏の初め、娘から「首に巻いて使う冷却リングを買って欲しい」と頼まれ、写真のような商品を購入しました。

冷却リング

 リング状のチューブの中に、28℃以下で凍結する(固体になる)液体が入っています。冷凍庫などに入れておくとすぐ固まり、冷たさが持続します。

冷却リング 冷却リング

 首に巻いて使うものなので全身を冷やすことはできませんが、娘曰く、リングに当たっている部分がひんやりして気持ちいいそうです。

 ところで、同封の説明書には特許番号(特許第6895671号)が記載されていました。

冷却リング

 特許の内容が気になる方は、J-PlatPatで確認してみてください(ヒロ)。
特許6895671:首冷却具

非常食と特許

  • 2022年09月21日
#商標】 【#実用新案】 【#特許

9月1日は防災の日でした。
我が家では、毎年この日に合わせて防災用品の確認をします。
ローリングストックのため、水や非常食、乾電池など賞味期限や使用期限のあるものを特にチェックし、来年の防災の日より前に期限が来るものを入れ替えています。

ローリングストック

防災用品は、巨大地震にだけでなく、台風の多いこの時期は、水害等への備えでもあります。非常食は、長期保存が可能で加熱が不要なだけでなく、非常食のイメージを覆すほど美味しくなっていて、平時の食事にできるだけ近づけるような努力がされているなと感じます。
J-PlatPatで「非常食」等のキーワードで検索すると、多数の特許・実用新案、商標がヒットすることからも努力がうかがえます。

毎年、備蓄品のチェックをする度に、これも足そう、あれも入れておこうと、リュックに入りきらないのが悩みです。(シスぞう)

防災用品

食品ロス削減を支える知財

  • 2022年08月31日
#商標】 【#特許

 日本では年間500万トン以上(2020年度環境省推計で522万トン)の食品が捨てられています。食品ロスが発生する要因として、生産者から消費者への流通の仕組みに一因があると言われています。食品ロス削減に貢献するため、スーパーやコンビニエンスストアで食品を購入する際、賞味期限・消費期限の近い商品から購入することが推奨されています。

食品ロス

 食品ロス削減を目的として、NTTドコモは、2021年10月「ecobuy」アプリを使ったサービスを開始しました。ドコモユーザーは、対象店舗で賞味期限・消費期限が近い商品を購入し、スマホでレシートを撮影してシステムに送信すると、ポイントをもらうことができます。

https://d-card.jp/kakeisoudan/articles/r825y7k5r1p/

https://r-tsushin.com/sdgs/nttdocomo_ecobuy/

 このシステムについて、NTTドコモは「ecobuy」の商標権(商標登録第6082392号)及び「情報処理装置及び情報処理システム」の特許権(特許第6462105号)を取得しています。特許公報には、「ユーザが期限の近い商品を購入すると特典が与えられるのでその種の商品を購入しようという動機を持つことになり、これにより、期限切れにより廃棄される商品、いわゆるフードロスを少なくすることができる。」という発明の効果が記載されています。このように、私たちは知的財産を通じてSDGsの課題に貢献することができます。(コナン)

食品ロス

タクマ式ボイラ

  • 2022年08月10日
#今日の発明】 【#特許

 今日8月10日と関連の深い発明について紹介します。今回紹介するのは、明治生まれの実業家、発明家であり、株式会社タクマの創業者の田熊常吉(1872.2.8~1953.12.22)が発明した「タクマ式ボイラ」です。

 田熊常吉は107年前(1915年(大正4年))の今日、当時の農商務省外局であった特許局に、我が国初の国産ボイラーであるタクマ式ボイラの特許を出願したとされています。なお、1912年に発明し、翌年特許取得、との情報もあります。
 田熊常吉は30代に材木商として成功した後、ボイラー製造事業に出資して失敗、多額の負債を負いました。しかし、その後独力でボイラー開発を行い、タクマ式ボイラの完成に漕ぎ付けます。これにより、外国製ボイラーの輸入に歯止めがかかるほどの成功を収めたとのことです。

 1936年、田熊常吉は自宅に田熊常吉研究所を設立しました(現・株式会社タクマ)。株式会社タクマは現在、毎年10~30件規模の特許出願を行う研究開発企業となっています。

関連リンク
1. 8月10日 – Wikipedia
2. 田熊常吉 – Wikipedia
3. タクマ(企業) – Wikipedia
(blink)

梅雨入りしました

  • 2022年06月29日
#特許

我が服部国際特許事務所のある東海地方も6月半ばに梅雨入りをし、ブログを書いている今も雨が降ってジメジメとした日が続いています。
この時期はいつも折りたたみ傘を持って出掛ける事にしていますが、携帯用の傘を鞄に入れる度に(昔から比べると随分小さく軽くなってこれも進歩だなぁ)と感じます。
「傘 特許」をネットで検索してみると、いろいろな面から工夫された様々な傘が表示され、読んでいるだけでワクワクし手に入れて使ってみたくなります。街に溢れるビニル傘は手軽で便利ですが、機能や材質を工夫して作られた最新の傘も気になる季節です。

さて、いよいよ梅雨本番の季節がやってきた!といっているうちに今年の梅雨は駆け足で去っていったようです。確定すれば1951年の統計開始以来最短の13日間になる見込みです。驚きですね。(スイマー)

ポンポン咲きダリア

  • 2022年06月22日
#商標】 【#意匠】 【#特許

 6月になり、4月に球根を植え付けたダリアの開花が楽しみです。
ダリアの開花の時期は、6月から11月です。このダリアのパッケージには、意匠と2つ以上の商標が用いられているようです。

ポンポン咲きダリア

 球根が入っていた網の袋に貼付されていた写真の台紙は、「物品の台紙」意匠登録第1068135号として意匠登録されていました。
 総合園芸メーカーの株式会社花の大和は、意匠と商標だけでなく特許も保有しているようです。(ラズベリー)

カーボンニュートラルの特許出願

  • 2022年06月15日
#特許

 2020年10月26日、日本の菅首相(当時)は、国会の所信表明演説で「2050年までにカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言しました。この宣言は経団連にも波及しました。では、この宣言に伴ってカーボンニュートラルに関する特許出願が急増したのか検証しようと、2020年10月から1年半が経過した今、公開公報を調べてみました。
 特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)にて、明細書に「カーボンニュートラル」の言葉が含まれる公報の件数を出願年毎に検索したところ、下のような結果が得られました(2022年5月31日現在)。

カーボンニュートラルの特許出願

 既に2001年には、明細書に「カーボンニュートラル」という言葉を記載した出願がされていました。例えば特開2003-129058に、「特にバイオマスはカーボンニュートラルであり、地球温暖化防止京都会議(COP3)での国際公約を達成する意味でも積極的に使用して石油、石炭等を代替すべき資源であるといえる。」と記載されています。1997年12月の京都議定書をきっかけとして、地球温暖化や気候変動に対する関心が高まってきたことを反映しているように思われます。
 その後、「カーボンニュートラル」という言葉を記載した出願件数は増加しますが、2009年(コペンハーゲンでCOP15が開催された年)をピークとして減少し、2015年頃からはほぼ横這い傾向にあります。ちなみに2015年のCOP21では各加盟国の削減目標を定めたパリ協定が採択されました。冒頭に紹介した菅首相の宣言があった2020年10月末から11月前半の段階では、出願の増加傾向は特にみられませんでした。
 将来の地球環境のため、カーボンニュートラル関連の発明が数多く創出されることを願っています。(コナン)

美味しいおつまみ

  • 2022年06月08日
#商標】 【#特許

 カルディなどで、人気のおつまみ「カズチー」。チーズの中に入った数の子のプチプチ感が独特で、お気に入りのおつまみの一つです。おつまみとしてだけではなく、おやつとしても食べてしまうのですが……

カズチー

 先日購入したパッケージには、「特許取得」の文字が! これまであまり記憶になく、製造元である井原水産のオンラインショップのパッケージ写真にも「特許取得」の記載はありません。
 気になったので、J-PlatPatで調べてみると、令和3年8月31日に登録されていました。(特許番号:特許第6936457号、特許法第30条第2項、新規性喪失の例外適用あり)
 やはり、比較的新しい特許でした! (マロン)

 「カズチー」は、井原水産株式会社の商標です。
 カズチードットコム(オンラインショップ)

マッサージガン「SIXPADパワーガン」

  • 2022年04月22日
#商標】 【#実用新案】 【#意匠】 【#特許

最近、マッサージガン(またはパワーガン)と呼ばれる器具を目にするようになってきました。マッサージガンは、その名の通り銃のような形状をしていて、先端部分が高速で振動する、マッサージ器具の一種です。
肩こりや腰痛の緩和のほか、筋肉のケアにも効果が期待できるそうで、少し気になっていたところ、お試しする機会があり、使用感がとてもよかったので購入しました。

SIXPADパワーガン

使い方は、体のほぐしたい部位にパワーガンの先端を軽く押し当てるだけ。購入した株式会社MTGの「SIXPADパワーガン」は、先端部分の振動速度を約1,800回転/分から約3,000回転/分までの5段階に調整できますが、はじめて使ったときは、振動の速さと力強さに驚きました。先端のアタッチメントはU字やボール状のものなど、使用する体の部位に合わせて交換でき、振動が筋肉の深部にまでよく届いていると感じます。動作音も静かで、ちょっとした時間にいつでもケアすることができるので、肩こりが酷いときや、運動後の筋肉疲労を感じたときに使用しています。同じように気になっている方にはおすすめです。

株式会社MTGは、愛知県名古屋市の会社です。J-PlatPatで「株式会社 MTG」を検索すると、多数の特許・実用新案・意匠・商標がヒットします。また、「SIXPAD」を検索すると21件の商標がヒットします。(シスぞう)

シックスパッド パワーガン(Power Gun)公式サイト
https://www.mtgec.jp/wellness/sixpad/products/powergun/

多色ペンライトの特許~その後

  • 2022年03月30日
#特許

 ロケ先で訪問した人の仕事や生活等を紹介するテレビ番組で、過去に取材した人の数年後を追って再訪問する企画があります。その手法に倣って今回は、6年前(2015年12月16日)のブログで紹介した「多色ペンライト」の特許(第5608827号公報、2014年9月5日登録)がその後どうなったかについてお知らせします。

 この特許は、登録から5年後の2019年3月19日に進歩性を理由として無効審判を請求されました。特許権者(ターンオン社)は請求項1、2を訂正しましたが、特許庁は、「本件発明は、甲1発明、甲2に記載された技術事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易に想到することができた」として、2020年7月28日に無効審決をしました。それに対し特許権者は、知的財産高等裁判所に審決取消訴訟を起こしました。
 2021年10月6日、知的財産高等裁判所は、「特許庁がした審決には甲1発明の課題の認定の誤りがある」と判断し、審決を取り消す判決をしました。この判決が確定したため、特許庁は、2022年1月13日、本件特許は無効でないとの審決をしました。
 このように紆余曲折を経て、本件特許は存続しています。なお、この特許の対象製品である「多色ペンライト」は、ターンオン社のホームページにも掲載されています。(コナン)
https://turnon.co.jp/patent/