クラフトビール ~味と商標で楽しむ~

  • 2025年12月04日
#商標

クラフトビールをいただきました。
クラフトビールはちょっと味が苦手という方から、ビール好きな私に回ってきました。なんてラッキー♪

「クラフトビール」という呼称は、時代の流れとともに「地ビール」という呼称から変化したものとぼんやりイメージしていましたが、調べてみると意味や背景に違いがあるようです。

1994年の酒税法改正をきっかけに「地ビール」ブームが起こり、観光・お土産として人気となりましたが、品質や味のばらつきで一時低迷。その後、必ずしも地域限定ではなく、小規模で職人のこだわりを持って造られる品質や独自性を重視した「クラフトビール」が登場。「地ビール」の進化版として世界的なトレンドへと広がりました。

缶のデザインはそれぞれ個性があり、まずは見た目から楽しませてくれます。
そして、ビールの香りを感じる前に、まず商標の香りがプンプン。調べてみると、やはり各ブランドがしっかり商標で守られていました。

クラフトビール

以下、画像を右から順に:

1.COEDO 毬花-Marihana-
埼玉県川越市のCOEDOブルワリーが手掛けるセッションIPA。
ホップの花を意味する「毬花/Marihana」に関する商標(登録第5749513号)や「COEDO/小江戸」に関する商標(登録第5525440号)などを取得済みです。

2.軽井沢 香りのクラフト 柚子
軽井沢ブルワリーによる、国産柚子を使用したビール。
ロゴ商標(登録第5530252号)や「軽井沢香りのクラフト」(登録第6162978号)など、商標登録済みです。

3.エチゴビール プレミアムレッドエール
新潟市にある日本発の地ビールメーカー、エチゴビールの赤色エール。
缶に「全国第一号地ビール」とあるとおり、その歴史自体がブランド価値。
ロゴ商標(登録第4449710号)や印象的なイラスト商標(登録第4529496号)も取得済みです。

4.黄桜 LUCKY CAT
日本酒メーカー・黄桜が造る、柚子や和山椒を加えたユニークなビール。
Kizakuraのロゴ商標(登録第6504679号)は登録済み。
LUCKY シリーズには 定番のLUCKY DOGLUCKY CHICKENのほか、干支シリーズとして2025年限定のLUCKY SNAKEも登場しています。
LUCKY CATの商標は未確認ですが、33類で別会社が「The Lucky Cat」を登録しているため、影響している可能性もありそうです。商標の世界は奥深いですね。

クラフトビールは「味」だけでなく「名前」も含めて守り育てる時代。
商標はブランドの信頼性を支える大切な仕組みですね。

ところで、皆さんはご馳走は最初に食べる派ですか?後にとっておく派ですか?
私はというと、すぐに飲みたい気持ちを抑えつつ、クラフトビールは特別感があるので「ここぞ」というときのご褒美にしたい派。でも、ビールは鮮度が命。理由をこじつけて早めに完飲したいと思います♪(カカオ)

参考:
【醸造家が語る定番ビールの魅力】「COEDO 毬花-Marihana-の魅力やこだわり」 – COEDO BREWERY 公式オンラインストア
軽井沢 香りのクラフト 柚子 – THE軽井沢ビール公式サイト | クラフトビール(地ビール)
商品一覧-エチゴビール株式会社
製品情報|地ビール|黄桜株式会社

かつお食堂 ~極上のかつお節体験~

  • 2025年11月26日
#商標

 先日の東京出張の際、渋谷にある「かつお食堂」で食事をしました。「かつお食堂」さんは、以前、当所で商標登録のお手伝いをさせていただいたご縁があり、一度ご挨拶も兼ねて伺ってみたいと思っていたお店です。

かつお食堂 かつお食堂

 予約の時間にお店へ入ると、「シュッ、シュッ、シュッ」という心地よい音とともに、店主の永松さんがかつお節を削っている姿が目に飛び込んできました。

かつお食堂 かつお食堂

 お店のカウンターでは、お客さんからの注文のたびに、永松さんがかつお節をその場で削って提供してくれます。
 注文を済ませてしばらくすると、削りたてでふわふわのかつお節をごはんの上に山盛りにのせた一杯、お味噌汁、卵などが並んだ「かつお食堂の定食」が運ばれてきました。
 ピンクがかった極薄のかつお節は香りが抜群で、口に入れるとすっと溶けてしまうほど。かつお節をここまで薄く、しかも均一に削る技術は、まさに職人技といえます。かつお節を削る様子を実際に見るのも、これほど美しく美味しい削りたてのかつお節を味わうのも初めての体験でした。かつおの出汁がしっかり効いたお味噌汁も絶品でした。

かつお食堂 かつお食堂

 鰹節伝道師「かつおちゃん」としても活動されている永松さんからは、かつお節の産地や、かつお節ができるまでの工程など、興味深いお話をたくさん聞くことができます。かつお節を削る鉋(かんな)は、その日の気温や湿度などによって使い分けているのだとか。テーブルに置かれていた途中まで削られたかつお節を手に取ってみると、想像以上にずっしりと重く、とても硬く、削り面はまるで木目のよう。実物を見て触れるのは初めてで、とても貴重な経験となりました。
 「かつお食堂」は「ミシュランガイド東京」で2022・2023・2024・2025年と4年連続で「ビブグルマン」に掲載されています(MICHELIN GUIDE:かつお食堂)。「価格以上の満足感が得られる料理」(ビブグルマン)に選ばれているのも納得のクオリティと体験です。

かつお食堂

 嬉しいことに、店内には、当所で出願代理し登録に至った商標(登録第6957190号)の登録証が飾られていました。この商標のかつおのイラストは、永松さんがこの仕事・お店を始めるきっかけをくれた御祖母様の作だそうです。「お店のアイデンティティーを象徴する大切なイラストなので、ぜひ商標登録したい」と出願のご依頼をいただいた際の言葉を思い出しました。永松さんの思いが込められたこのイラストはお店の看板・象徴として、これからもお店を支え続けてくれることでしょう。

 日本の伝統食材であるかつお節の魅力を未来に伝える「かつお食堂」が、ますます発展し、末永く続いていくことを願っています(ヒロ)。

かつお食堂HP:https://www.katsuoshokudo.jp/services
かつお食堂Instagram:https://www.instagram.com/katsuoshokudo/
かつお食堂予約ページ:https://www.tablecheck.com/ja/shops/katsuoshokudo/reserve
永松さん著「鰹節を手削りする 美味しい暮らし: 日本の味いただきます」:https://amzn.asia/d/5ghVozl

きのこの山

  • 2025年11月12日
#商標

スイマーです。
秋ですね。秋といえばキノコです。この季節の山の幸は美味しくてたくさん食べたいのですが、素人が気軽にキノコ狩りに出掛けるわけにはいきません。

そこで、どなたにも安心して街中で手に入れられるキノコといえば、「きのこの山」ですね。可愛らしいキノコの形をしたお菓子は大人になった今でも手に取るとワクワクします。

この誰もが知る有名な形状のお菓子は1978年に文字商標(登録番号1330075号)、2018年には立体商標に登録されています(登録番号第6031305号)。
個性的で魅力的な形状だからこそ企業側もしっかりと権利を守っています。

きのこの山

知的財産権によってブランドを守る取り組み きのこの山に関する模倣品対策のご紹介
https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2024/0924_01/index.html

以前当所ブログで取り上げた、「たけのこの里」は2021年に立体商標が登録されています(登録番号6419263号)。
たけのこの里

「ディスペンパック」が「パキッテ」に

  • 2025年10月29日
#商標

もう10年以上も前になりますが、弊所のブログで「ディスペンパック」について掲載したことがあります。
便利な容器 ディスペンパック(ヒロ)

「ディスペンパック」は調味料などが入った小さな容器で、片手でパキッと2つに折ることで、中身が出てくる構造です。(詳しくは以前の記事をご覧ください。)
その後もこの記事に時々アクセスがあるので、この商品に興味をお持ちの方が多いと推測します。

パキッテ

パキッテ

この「ディスペンパック」は、2019年に「パキッテ」という名称に改められています。「パキッテ」は、キユーピー株式会社のグループ会社である、株式会社ディスペンパックジャパンの商品です。小さな文字ですが、商品に「パキッテTM」と記載があるのがわかります。

パキッテ

名前の由来が容易に想像できて、覚えやすく親しみやすいネーミングですね。この容器を見たことはあっても「ディスペンパック」という名前を憶えている人はあまりいなかったそうですが、知名度が上がりそうな「パキッテ」という名前には、ネーミングの重要性を感じます。もちろん「パキッテ」は商標登録され、ブランドが保護されています。
パキッテ:登録6334755
PAKITTE:登録6268828

ちなみに、「パキッテ」はカプセルトイにもなっています(2025年9月より順次販売)。これなら思う存分、何度でも“パキ”ってできますよ♪
https://x.com/kewpie_official/status/1967786792461144565
私も“パキ”ってしたいです。(シスぞう)

ブランド力のある商品・サービス名の商標登録は、ビジネスにおける重要なプロセスです。
御社の大切な商品名やサービス名も商標登録して保護しませんか?
商標登録に関するご相談・ご依頼がございましたら、こちらからぜひ弊所までお問い合わせください。

推しが商標登録されていました♪

  • 2025年10月22日
#商標

2023年3月に投稿したブログ「ちいかわ」で私の推しはちいかわの友達のうさぎとお伝えしました。
そして、なんと!その推しが商標登録されていました!

ちいかわ
*商標登録6890391の公報より

商標権利者は「株式会社ナガノ」となっており、前回の記事で紹介したちいかわ(商標登録第6462301号)も商標権者が「株式会社ナガノ」に商標権移転登録されていました。

自分の好きなものが権利保護されているのを見つけて安心しました。
(うさぎ)

マステの小さな商標

  • 2025年10月15日
#商標

 ちょっとしたものを貼ったり、封をしたりするのに、何かと便利なマスキングテープ。可愛い物が売っていると、つい買ってしまいます。

マスキングテープ

 先日購入したマスキングテープには、とっても小さく「商標」の記載がありました。J PlatPatで調べてみたところ、ニチバン株式会社が「Petit joie/プチジョア」で権利化していました。(第5746465号)
 もちろん、記載サイズが小さくでも権利が小さいわけではありません!

マスキングテープ

 愛知県安城市に工場があるニチバンは、「セロテープ」で有名です。あまりにも有名で、一般名称と間違えられがちですが、「セロテープ」もニチバンの商標、一般名称は「セロハンテープ」です。セロテープの商標はいくつかありますが、一番古いものは昭和34年に登録されています(第546229号)。

 セロテープは必須アイテムですし、プチジョアのマステも、また見つけたら購入したいと思います。(マロン)

プチジョアシリーズ
https://www.nichiban.co.jp/general/stationery/product_name/brand_series/petitjoie/

セロテープ
https://www.nichiban-cellotape.com/

秋口の京都

  • 2025年10月09日
#商標

先日、用事があり京都に行ってきました。
せっかくなので、用事のついでに少々観光も。

仁和寺の北庭

仁和寺の北庭

龍安寺の石庭

龍安寺の石庭

せっかくなので、京都(関西)らしいうどんも。

のっぺいうどん

のっぺいうどん

きつねうどん

きつねうどん

せっかくなので、好きな和菓子屋さんにも。
名代豆餅で有名な「出町ふたば」さんです。
みながこの看板を目指してやってきます。

出町ふたば

名代豆餅の他に、芋あんを使った「福豆大福」、「よもぎだんご」、「新栗餅」を買いました。

名代豆餅

数時間持ち歩いたあとに撮影したので、美味しそうな雰囲気が伝わらないかもしれませんが、どれも美味しくて感動しました。
お店の前に常に行列ができているのも納得です。

今回は駆け足でしたが、もう少し秋が深まったら、紅葉を見ながらゆっくり京都観光をしたいなと思いました。

商標「出町 ふたば」は、「もち及び赤飯の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として2009年2月20日付で商標登録されています(登録第5205944号)。
(さくらもち)

還暦祝いは、シャレを効かせて

  • 2025年09月17日
#商標

還暦を迎えた親戚に、ちょっとしたお祝いの品を贈ろうとネットで探していたところ、思わず笑ってしまうようなユニークなものを見つけました。

還暦祝いといえば、「赤いちゃんちゃんこ」を着て祝うという風習があります。赤は魔除けの色とされ、縁起が良いとされているため、「身につける赤いもの」が良さそうだと考えました。外から見えない赤い腹巻きなら気軽に使ってもらえそうです。
そこで見つけたのが、「これしかない!」と思える腹巻きです。

赤い腹巻き

この腹巻きは、愛知県弥富市にある株式会社洒落紋(しゃれもん) がデザイン・生産・販売を手がける名入れ対応のオリジナル商品です。
ぼかしを入れた箇所に名前など入れることができます。
また、お祝い用の「のし紙」が裏面に付けられており、そのまま手渡すことができる仕様となっています。

赤い腹巻き

腹巻きにプリントされた「かんれきだもの」は、株式会社洒落紋の登録商標です。
左下にある社名ロゴも、色が反転していますが、こちらも登録商標です。
他にも17件の登録商標と5件の出願中の商標があり、オリジナルブランドをしっかりと守りながら、クスっと笑えるユニークなアンダーウェアを多数展開しています。
気になった方は、ぜひ公式ネットショップを覗いてみてはいかがでしょうか。

お盆の会食で集まった際、無事に渡すことができ、本人も皆の顔もほころびました。
ちなみに、会食場所は愛知県三河一色地区にある「うなぎ割烹みかわ三水亭」。お値打ちに美味しい鰻が味わえるお店で、「三河一色『鰻御三家』」と呼ばれる三店舗のうちのひとつです。「三河一色\鰻御三家」のロゴマークもしっかり登録商標として保護されており、ブランド戦略されていましたよ♪(カカオ)

シャレもん本店|還暦祝い・母の日・父の日の名入れプレゼントからクリスマスなど季節イベントにも対応

夏の朝食

  • 2025年08月27日
#商標

8月も終盤になりましたが、天気予報によるとまだまだこの先も暑い日が続くようですね。これだけ暑いとどうしても朝食を抜きがちになりますので、この夏は毎朝シリアルを食べるようにしています。

フルグラ

行きつけのスーパーで特売になっていたこのシリアル。お菓子メーカーでおなじみですね。パッケージの裏側には栄養や食べ方などいろいろな情報があります。そして見つけました、小さく印刷された商標の文字。

フルグラ

特許情報プラットフォームJ-PlatPatで「フルグラ」を検索してみると、商品の名前だけでなく周りの部分を含んだものなど、いろいろな登録がされていますね。大切な権利を守っています。
(スイマー)

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/TR/JP-2003-106882/40/ja
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/TR/JP-2022-106782/40/ja

いろどり ~ 時代やニーズに合わせて変化する

  • 2025年08月20日
#商標

名古屋の定番土産に、大和屋守口漬總本家の「守口漬」がありますが、先日、カラフルな小箱に入った「いろどり」という商品をいただきました。

大和屋守口漬總本家の「いろどり」

いただいたのは、「きゅうり」と「うり」の奈良漬です。守口漬と奈良漬はどちらも酒粕に漬けて作られる漬物ですが、守口漬は愛知県特産の「守口大根」という細長い大根を、酒粕とみりん粕で漬けたもので、奈良漬は「きゅうり」や「うり」、「すいか」など様々な野菜を酒粕に漬けたものです。

守口大根は、愛知県の伝統野菜で、愛知県扶桑町が全国生産の約7割のシェアを占めています。直径3~4cm、長さ120~130cm、長いものでは180cmにもなる品種の大根で、世界一長い大根としてギネス登録もされています。

守口漬や奈良漬は、独特のアルコール感が苦手だったのですが、目を惹く鮮やかなパッケージにつられて食べてみたところ、とても食べやすくて美味しくいただきました。私の味覚が大人になったのかな?と思いましたが(笑)、はちみつを加えているそうです。そのまますぐ食べられるよう、食べやすい大きさに切ってあり、その都度新鮮な状態でいただける食べきりサイズで密閉されているのも気に入りました。

日本の伝統的な食文化のひとつである漬物が、時代やニーズに合わせて上手く変化していることに感銘を受けました。みなさんも一度お試しください。「いろどり」のシリーズには、守口大根、生姜、竹の子もあるようです。

パッケージにある、細長い守口大根が特徴的に描かれた大和屋の図柄は、商標登録されています。
商標登録に関するご相談は、こちらから服部国際特許事務所まで是非どうぞ。(シスぞう)