今日の発明~集積回路(キルビー特許)

  • 2019年02月06日
#特許

 今日(2月6日)と関連の深い発明について紹介します。今回紹介するのは、「ジャック・キルビーによる集積回路」、いわゆるキルビー特許です。

 2000年のノーベル物理学賞を受賞した米国人発明家、ジャック・セイント・クレール・キルビー(Jack St. Clair Kilby)は、今からちょうど60年前(1959年)の今日、アメリカ合衆国に世界初の集積回路に関する発明について特許出願しました。彼が、テキサス・インスツルメンツ(TI)に勤務していた時です。これが「キルビー特許」USP3,138,743号です。

 なお、キルビー特許出願の数か月後、同じく米国フェアチャイルドセミコンダクター社のロバート・ノイスは、独自に集積回路に関する発明について出願しました(「プレーナー特許」(半導体の平面上に回路を構成する技術に関する特許))。一般に、キルビーとノイスの両名が集積回路の発明者とされています。

 キルビー特許の関連特許は後々、日本をはじめ、多くの国の半導体メーカーと特許騒動を起こし、テキサス・インスツルメンツ社は莫大な特許料収入を得ることとなりました。キルビー特許に対しては、集積回路の前段階のアイデアに過ぎない、プレーナー特許こそが今日の集積回路技術の祖である、という見解もあります。このため、米国本国においても、キルビー特許は産業の活性化を阻害する悪性特許であるとの激しい論争があったとのことです。

 とはいえ、キルビーは集積回路以外にも電卓やサーマルプリンタなど約60の特許を取得した著名な発明家であり、テキサスA&M大学で教鞭をとった学者でもあります。詳細は以下のリンク先をご覧ください。
ジャック・キルビー(Wikipedia)
キルビー特許(Wikipedia)

ドラマの中の知的財産

  • 2019年01月30日
#特許

通勤電車内の過ごし方の1つとして、見逃し配信サービスでテレビドラマの視聴を楽しんでいます。
昨年10月から放送された「下町ロケット:続編」では、中小企業の佃製作所が幾つかの困難を乗り越えて夢を叶えていく姿に毎回ドキドキワクワクしながら見ていました。

知的財産に関する内容がちらほらと出てきて面白く、なかなかリアリティもあったと思います。例えば、佃製作所が協力関係を結ぼうとしている会社(B社)が他の会社(C社)から特許侵害を指摘されてしまう場面があります。その会社(B社)が特許調査していたにもかかわらず開発した時期と同時期にC社が出願していたため特許公開される18ヶ月を経過しておらずB社が気づけなかったということです。
この会社(B社)を救うために佃製作所が尽力する中で、顧問弁護士が対抗策として「クロスライセンス」を提案したことなど。(←失敗)
他の会社C社)から会社(B社)が特許侵害を指摘された技術は、実はある論文で発表された構造に独自の開発で作られたものであり(既に公開されている技術を使用していたので)、訴えた会社(C社)の特許はそもそも特許要件を満たしていなかった、すなわちB社の実施は特許侵害に当たらなかったのです。

最終回のラストシーンで佃社長が「みんな、一つ提案があるんだが、(中略)、特許申請しないか?」と社員に問いかけます。この行方は「新春ドラマ特別編」で明らかになりました。不具合を改善する過程で変更した技術を特許申請し、最後はライバル会社のライセンス契約を受け入れます!
ドラマはハッピーエンドが気持ちいいですね♪(すーママ改め、カカオ)

年始のご挨拶

  • 2019年01月23日

新年あけましておめでとうございます。
平成31年、己亥年(つちのといどし)。
己の年は、自己を確立し、規律正しく歩む年。
亥の年は、次世代に向けて大きなエネルギーを秘めた種をつくる年。

先行き不透明な時代の中、創造された知的財産を明確にします。
その活用方法を試行錯誤しているクライアント(顧客)に対し、これまで築きあげた総力をもって事業の成長に役立つよう貢献してまいります。

当事務所は、大きな変革の中、若い力で乗り越えていく年としたいと思います。
当事務所公式ウェブサイトの求人情報に私たち(所員)の年齢比と男女比を掲載いたしましたのでご覧ください。 (おにぎり)

さつまいもキャラメル

  • 2019年01月21日
#商標

昨年、大河ドラマ“西郷どん”のご当地、鹿児島へ行ってきました。
さすがに、薩摩というだけあり、薩摩芋関係のお土産が数多く並んでいました.
その中で一番気になったものは、“さつまいもキャラメル”です。
皆さんご存知“ボンタンアメ”のメーカー「セイカ食品株式会社」の製品で、“ボンタンアメ”同様もっちりとしたあの何とも言えない食感で、やさしいおいしさと素朴さに満ち溢れたキャラメルでした。
全国的に知られているのは“ボンタンアメ”ですが、“さつまいもキャラメル”は、箱に「第二十二回(1998年)全国菓子大博覧会 名誉総裁賞 受賞」と明記もされており、そういう意味でもお勧めです。(タイム)

●セイカ食品株式会社のロゴ(キャラメルの箱の右上に明記)
商標登録第1681254号
登録日:1984年4月20日

湯たんぽ

  • 2019年01月18日
#特許

 年末から年明けにかけて寒い日が続いていますね。この季節は、寝るときに湯たんぽを使用しています。

 熱湯を入れておけば、快適な温かさが朝まで続きます。この湯たんぽでは、本体との間に環状の空気層を形成するカバーが設けられているため、低温火傷の心配が軽減されます。

 先日、ふとキャップを見ると、「PAT.」の表示があることに気づきました。

 特許番号の表示はありませんでしたが、J-PlatPatで検索項目「発明の名称」を「湯たんぽ」にして調べてみると、対応していると思われる特許が見つかりました(特許第3295405号:カバー付き湯たんぽ)。


特許第3295405号 図1

 この特許発明では、「本体」、「カバー」、「キャップ」の構成を工夫することにより、本体の構造を強化し、熱変形を防止するとともに、湯量の多少に拘らず本体の変形と復原が正常、確実に行われるようにすることができるとのことです。
 暖かくなる春まで、この湯たんぽのお世話になります。(ヒロ)

お菓子のネーミング

  • 2019年01月15日
#商標

先日、六花亭のお菓子詰め合わせセットを購入しました。
9種のお菓子が1つずつ入っているものだったのですが、定番のバターサンド以外、初めて食べるお菓子ばかりで、六花亭のお菓子の種類の豊富さにびっくりしました。
味はもちろん全て美味しかったのですが、「大平原」や「北加伊道」など、ネーミングにもこだわりが感じられ、「きっと商標登録されているのでは?」と考え、j-PlatPatを覗いてみました。
出願人「六花亭製菓株式会社」で検索してみたところ、227件ヒットしました。
思った以上にたくさんの登録商標や、出願済みの商標があり、「どんなお菓子なんだろう」と、名前からお菓子を想像するのが楽しかったです。

写真は、お菓子の詰め合わせが入っていた箱です。このお花の柄も商標登録されていました。(さくらもち)

新春初売り福袋

  • 2019年01月10日
#著作権

あけましておめでとうございます。

元日の初売りでシルバニアファミリーのバレエ劇場が入った福袋を開店一番ゲットしたバレリーナです。シルバニアファミリーは、著作権を有するエポック社の主力商品です。1985年に発売され、一大ブームとなり、一時ブームは去ったものの、再び回復しその人気は健在です。ショッピングモールの昨年の初売りでは、開店30分後にのんびり出かけたら、既に完売(-_-;)。今年は意気込んで開店1時間前に出かけるも、売り場に近い入口には既に100人程の長蛇の列が!それでも家族総出で、なんとかお目当ての福袋をゲットできました(^^;)来年はレゴの福袋を狙います☆

グッドイヤー

  • 2018年12月29日
#今日の発明

12月29日は、発明家チャールズ・グッドイヤーの誕生日です。チャールズ・グッドイヤーは、1800年12月29日、アメリカ合衆国で生まれました。

彼の名前から察しがつきますが、ゴムの加硫法を発明したことで知られています。ただし、タイヤメーカーのグッドイヤー社は、彼にちなんで命名されていいますが、グッドイヤー本人や一族と、法的・資本的な関係はないそうです。

当時、新素材だったゴムを用いた製品は、冬は硬くなり、夏は柔らかくなるように、温度に影響されやすい性質がありました。彼が、ゴムに硫黄などを加えて加熱する工程により、耐熱性を持たせる加硫法を発見したのは1839年のことですが、資金不足による極貧生活や、有毒ガスによる健康被害、度重なる特許侵害に対する裁判など、波乱の人生だったようです。

今では、産業用素材として大変便利に利用されていますが、自動車タイヤはもちろんのこと、当たり前のように身の回りに多くのゴム製品が溢れているのは、加硫法によりゴム産業の発展が始まったからなのです。(シスぞう)

Wikipedia:チャールズ・グッドイヤー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%BC

機種変しました

  • 2018年12月17日
#特許

スイマーです。
4年間使っていた携帯電話を買い換えました。
以前使っていた携帯電話は機能的には問題無かったのですが、バッテリの劣化と諸般の事情により今回新しい機種に変更する事となりました。
この新しい携帯電話、『持ち主の顔で本人認証をするのでチラリと携帯に顔を向けるだけで煩わしいID入力をせずロック解除はおろか、お買い物まで出来てしまう優れもの』と、いうことです。
いったいどれだけの特許技術が使われているのだろうとワクワクしますね。
どんどん便利になっていく世の中に置いて行かれないようにしなくては、と携帯電話に触れるたび感じます。
さて、使い始めて10日程になるこの携帯電話は未だに眼鏡を外した私を本人と認識せず必ずパスコード入力を求めてきます(-_-)。
設定なのか私の顔が原因なのか……この便利な道具を使いこなす日はまだまだ遠そうです。