樹脂製のアクセサリー

  • 2021年07月21日
#特許

長年の友人がUVレジンでアクセサリーをつくっています。
UVレジンとは紫外線で固まる特殊な樹脂液です。
好きな型に流し込んだUVレジン液の中に好きな小物を入れたり、UVレジン液そのものを着色した後、紫外線を当てて硬化させオリジナルのアクセサリーに仕上げます。

ひとくちにレジン液といっても、調べてみると固まりやすさや内包物への馴染みやすさ、丈夫さなど製造会社によってさまざまな技術があり製法特許も申請されています。
街の雑貨店や文具店などにいろいろな作成キットが売られていて目にする事もあると思いますが、簡単に作れるからこそ作成者のセンスが物を言う、なかなか奥の深い世界だなと感じます。
(スイマー)

オリジナルザッハトルテ

  • 2021年07月19日
#商標

ウィーンにあるホテル・ザッハーが、ザッハトルテを全世界送料無料で送るという、期間限定のキャンペーンをやっていることを知り、取り寄せてみました。

ザッハトルテは、チョコレート味のスポンジ全体をチョコレートでコーティングしたケーキですが、1832年に料理人のフランツ・ザッハーが考案し、後に次男のエドゥアルトが開業したホテル・ザッハーの、レストランとカフェで提供されたのが始まりだそうです。
レシピは門外不出でしたが、ホテルが財政難に陥った折に、ウィーン王室御用達の洋菓子店「デメル」が販売権を得ることになります。
その後、レシピは広く知られるようになり、ホテル・ザッハー側が、デメルを相手取って商標権の使用と販売の差し止めを求める裁判を起こしますが、7年に及ぶ裁判の結果、双方にザッハトルテの販売が認められます。
その結果、デメルのものは「デメルのザッハトルテ(Demel’s Sachertorte)」、ホテル・ザッハーのものは「オリジナルザッハトルテ(Original Sacher-Torte)」として売られています。

注文したオリジナルザッハトルテは、暑さにも耐えて無事に届きました。木箱にしっかり収まっていて、崩れることもありませんでした。

強~烈に甘く濃厚なケーキですが、酸味の利いた杏ジャムがスポンジの間に挟んであり、味のアクセントになっています。また、ホテルで供されるのと同じように、無糖ホイップを添えていただくことで、甘さが少し和らぎます。コロナ渦において、貴重な海外体験ができました。(シスぞう)

ザッハトルテ(Wikipedia)

共通テストと知財

  • 2021年07月07日
#知的財産

 知的財産の知識は大学入試に役立つでしょうか。2020年度センター試験の現代社会において、第4問の問5に、現代の情報通信技術に関する概念や法制度に関する記述として最も適当なものを4つの選択肢の中から選ぶ問題がありましたが、③は次のようなものでした。
 「③日本では、知的財産に関する事件を専門的に扱う裁判所は、設置されていない。」
 日本には知的財産高等裁判所(2005年設立)がありますから、この選択肢は誤りです。

 ある高等学校の「情報」の教科書には、「情報システムが支える社会」という章の「情報社会における法律」という節で、産業財産権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権)及び著作権の概要が説明されています。「情報」は、現在では受験科目ではありませんが、今年3月、「情報」が2025年以降の共通テストの教科に加わることが発表されました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210324/k10012933181000.html

 これにより、一般高校生の知的財産権に対する関心が多少は増えるかもしれません。ただし、大学入試センターが発表した「情報」のサンプル問題では、通信の基礎知識、プログラミング、統計処理の問題が選ばれています。知識の暗記よりも考える力が重視される傾向にある共通テストでは、知的財産権の知識問題が出る可能性は基本的に低そうです。しかし、国の政策次第で知的財産に対する世間での関心が高まれば、出題傾向にも影響があるかもしれません。(コナン)

鬼滅の刃関連の商標出願 その2

  • 2021年06月30日
#商標

 鬼滅の刃に登場するキャラクターの羽織の柄が商標出願されていることを以前に記事にしましたが、こちらの最初の審査結果が出ました。
  前回の記事:鬼滅の刃関連の商標出願

 義勇さん柄、しのぶさん柄、煉獄さん柄は、2021年6月3日に商標登録されました。(登録番号6397486,6397487,6397488)
 興味のある方は、J-PlatPatの「商標」より「商標番号照会」を選択し、登録番号欄に上記の番号を入れると詳細情報を見ることができます。
 個人的には、登録されるのであれば、しのぶさん柄、煉獄さん柄で、義勇さん柄は微妙かな、と思っていたので、わりと予想通りでした。義勇さん柄は、半々羽織なのが識別力に繋がったのかもしれません。
 また、同日付けで、「炭次郎」「禰豆子」「善逸」「伊之助」「義勇」のキャラクター名や、「全集中」「無限列車」「鬼殺隊」などが標準文字で商標登録されています。権利者はいずれも株式会社集英社です。

 一方、炭次郎柄、禰豆子柄、善逸柄は、拒絶理由が通知されました。適用条文は、いずれも第3条第1項第6号で、識別力がない、と認定されています。
 拒絶理由が通知された3つについては、出願人である集英社が応答する可能性も十分にありますので、引き続き、今後の審査動向を見ていきたいと思います。(マロン)

プリント倶楽部(プリクラ)

  • 2021年06月23日
#意匠

今回紹介する身近な意匠は「プリクラ」です。プリント倶楽部、略して「プリクラ」はゲームセンターでよく見かけます。最近ではプリントシール機専門店もあり、日本の文化の1つとして馴染みがあります。
フリュー株式会社はプリクラやカラーコンタクトなど若い世代に「流行るもの」へ力を入れている企業です。私が高校生の時に流行っていたプリクラの機種もほとんどがフリューの製品でした。

以前このプリントシール機で撮った際、従来の機種との外見の違いに興味が湧きJplat-patで検索をしてみたところ、部分意匠で出願及び登録がされていることが判明しました。本部分意匠を活用している機種は「AROUND 20」「PURi BOX」「PURi BOX more」などです。

日本の文化であり、自分の身近に意匠が存在することに親近感を覚えました。(うさぎ)

意匠登録第1651555号
登録日:2020年1月9日
権利者:フリュー株式会社

プリントシール | フリュー株式会社 (furyu.jp)
フリュー株式会社 プリントシール機事業サイト » プリントシール機ラインナップ (furyu.jp)

WIPO日本事務所のウェビナー(6月第3週分)

  • 2021年06月14日
#知財イベント

 コロナ禍をきっかけに利便性が見直され、ウェビナー方式のイベントが増えてきましたね。私達のいる知財業界でも、ウェビナーが続々と開催され、活用が広がってきています。

 そんな中、昨年からたびたび開催されているWIPO日本事務所のウェビナーをご紹介します。今回は、6月第3週に行われるウェビナーです。どちらも日本語なので、気楽に参加できそうです。プレゼン終了後には、ウェブツールで質問することもできます。

(1)6月15日 火曜日 日本時間11:00~12:00
 シリコンバレーにおける特許エコシステム
 米国シリコンバレーといえば、いわずと知れたAppleやGoogleをはじめ、数多くのスタートアップ企業を生み出すIT揺籃の地ですが、本ウェビナーでは現地の最新の特許出願や特許売買の動向について紹介されるとのことです。

(2)6月18日 金曜日 日本時間17:00~18:00
 【ハーグ制度】オンライン出願ツール「eHague」と更新ツール「eRenewal」の使い方
 ジュネーブにあるWIPO本部の担当者が、意匠の国際登録制度であるハーグ制度のウェブ上での手続について、実際の画面を使って紹介するとのことです。

 もちろん、この週に限らず、WIPOウェビナーは随時開催されています。興味のある方は、特許庁のイベントカレンダー、WIPO日本事務所のホームページで確認してみてください。

 特許庁 イベントカレンダー

 WIPO日本事務所

(blink)

軽やかなメガネ

  • 2021年06月09日
#商標

最近、新しくデスクワーク用のメガネを作りました。
店員さんに相談しながら選んだものは、Cotoriという自社ブランドのメガネです。
登録商標のロゴや添えられたイラストが「ココロさえずる、軽やかさ」というブランドコンセプトにぴったりで、このメガネの持つ特徴を適切に表現していてイメージしやすいと感じました。

ルックスも付け心地も軽やかな新しいメガネを手に入れて心が躍りました。
プレゼントの専用ケースとメガネ拭きも素敵です♪
あれこれリクエストして長い時間をかけてしまったのに、店員さんは「楽しく作らせていただきました」と見送ってくださり、一層心地よい気分でお店を後にすることができました。(カカオ)

登録商標:第6259543号(J-PlatPat)
cotori|眼鏡市場

らくらくノート

  • 2021年06月02日
#特許

新学期が始まって間もない頃、子供が学校から持ち帰った教材の中に「特許商品」と書いてあるもの見つけました。表紙には「くりかえしけいさんドリル らくらくノート」と記載され、懐かしい「3丁目のタマ」のイラストが書いてあります。

ノートで特許とはどんな内容なのかと疑問に思い、お馴染みのJ-Plat Patで調べて見たところ、要約には「問題ドリルを用いてその問題を解き、ノートの適切な書き方、使用法を学習させることができる演習ノートと、問題練習教材を提供すること。」とありました。


※画像は新学社HPより

その内容を一通り見ましたがノートひとつにも子供が学びやすく、そして書きやすくするための工夫が随所に見られました。これも立派な発明なのだなぁと感心し、発明にも色々な形があるのだということを改めて感じました。(マリーゴールド)

らくらくノートの日本特許番号:5031612
株式会社新学社のらくらくノート紹介ページ:ドリル専用ノート「らくらくノート計算」 (sing.co.jp)

ほたリウム

  • 2021年05月28日
#商標

夜が短くなり随分日が長くなり、徐々に夏に近づいています。名古屋は梅雨に入り、空を見上げるとどんよりとした曇り空。まばゆい陽光は影をひそめ、街の樹木は雨に濡れそぼち、雨粒を通し多彩な緑を我々に見せてくれます。
虫たちも、季節に寄り添うように新たなメンバーが登場し、四季の移ろいを感じます。

ところで、皆さんは蛍の鑑賞シーズンが梅雨の時期であることはご存知ですか?
どのような場所に蛍が生息できるのか、よく知られているのは水がきれいであること、水流が穏やかであること、暗く静かであること、など昔の自然の原風景のまま時が流れているような場所のようです。
ですが、東武動物園では1年を通して蛍を鑑賞できる世界初の「ほたリウム」という施設があるようです。(タイム)

●商標:ほたリウム
商標登録番号 :第4870447号
登録日    :平成17(2005)年 6月 10日
権利者    :東武鉄道株式会社

●東武動物園 ほたリウム
https://www.tobuzoo.com/zoo/feature/hotariumu/

昔の薬

  • 2021年05月19日
#商標

 こんにちは、ヒロです。
 先日実家に帰ったとき、古い箪笥の奥から出てきた昔の薬を見せてもらいました。袋を振ると、カラカラと薬の粒が袋に当たる音がしました。

 袋の表面に記載されている「BAOF」、「バオーフ」、「Ristoma」、「リストマ」でインターネット検索してみましたが、該当する薬の情報は見つかりませんでした。
 「BAOF」の袋に記載されている「Gastritis」、「Magendarmkatarrk」をGoogle翻訳してみたところ、ドイツ語で「胃炎」、「胃腸障害」と訳されました。「Ristoma」の袋の「Anamie」、「Herzklopfen」は、「貧血」、「動悸」と訳されました。これらの症状を緩和または治療するための薬のようです。

 袋の中に入っていた紙に「昭和15年」(1940年)と書かれていたので、80年ほど前の薬ということがわかりました。祖父母か曽祖父母の代で使用されていたのでしょう。

 袋の裏面には「薬價金五圓」(薬価金五円)と記載されています。日本銀行の下記ページを参考に当時の五円を今のお金に換算すると約二千円になりました。
「昭和40年の1万円を、今のお金に換算するとどの位になりますか?」(日本銀行)
https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/history/j12.htm/

 「九州理化学製剤所」についてもインターネット検索してみましたが、該当の製剤所はヒットしませんでした。この製剤所は、今はもう存在しないようです。

 袋の表面に「TRADEMARK」の文字とともに表示されている龍の図形について商標登録されていないか、J-Platpatで商標検索してみました。
 「図形等分類」の欄に「24.11.17」(龍)と「4.3.3」(ドラゴン)を入力し検索したところ、龍(ドラゴン)の図形を含む商標が1201件ヒットしました(2021/5/12時点)。さらに、「類似群コード」の欄に「01B01」(薬剤等)を入力し条件を追加して検索したところ、62件に絞り込まれました。しかし、この62件の中に、袋の龍の図形と同一または類似の登録商標はありませんでした。当時は商標登録されていたのかもしれませんが、今は登録されていないようです。

 薬剤師をしている義妹がこの薬に興味をもち、「調べてみたい」とのことで、この薬は今、義妹の手元にあります。
 この薬について何か知っている方は、コメント欄からご連絡いただけると嬉しいです。