私の住んでいる名古屋は、めったに雪も降らず、寒さに弱い私も年中過ごしやすいのですが、12月に入ってから冷え込むことが多くなってきました。
自宅のリビングはエアコンのおかげで快適ですが、入浴時や明け方しか使わない脱衣所・洗面所の寒さは長年の課題でした。短時間しか使わないのに…という抵抗感もあってずっと我慢していたのですが、ついに、新聞のチラシで見つけた遠赤グラファイトヒーターをスポット暖房用に購入しました。
今回購入したのは、アラジンブランドの遠赤グラファイトヒーター(2灯管)です。レトロな外観ながら、衣服が触れると自動で電源OFFする装置も付いています。さっそく使ってみると電源を入れた瞬間、離れた場所でもすぐ暖かくなり、はだかでも大丈夫そうです。今までの極寒の地が嘘のように快適になり大満足です。
ちなみに遠赤ヒーターが届けられた数日後、名古屋ではいきなり初雪(しかも8年ぶりの積雪10cmを記録する冷え込み)となったのですが、遠赤ヒーターのおかげで何事もなかったかのように過ごすことができました。
現在、アラジンブランドの家電を販売しているのは株式会社千石という会社です。少し前に、特許庁の広報誌「とっきょVol.51」に記事が掲載されていたので紹介します。
それによると、付き合いのあった大手企業から“超高性能ヒーターの特許技術を買いませんか?”と勧められたということで、その技術を買い取ったことが社業の転機になった経緯が紹介されています。
もともとは家電OEM専業であった株式会社千石ですが、技術力を高めるうち、「社内にないリソースは外部から取り込む」との経営方針の下、事業譲渡により取得した特許技術を活用し、成長してきたとのこと。
株式会社千石のHPには同社の特許第4739314号が紹介されています。J-PlatPatで検索すると、特許第5383741号(特許第4739314号の分割出願)という関連特許もあるようです。これらの公報を参照すると、(公報発行時点で)「特許権者 パナソニック株式会社」となっていますので、上記の「大手企業」とはパナソニック株式会社であったようです。
現在、特許の約半数が未利用特許(PDF)であるとも云われ、いわゆる宝の持ち腐れであることが問題となっています。ある発明に特許権が与えられている以上、特許権者等以外はその発明を実施することができないため、未利用のままの特許権の存続期間中(最長で約20年)、出願公開後の先行技術文献としての資料的価値以外は発揮されないことになります。これは大きな社会的損失とも考えられます。
その意味でも、アラジンブランドと株式会社千石の歩みは大いに参考になりそうです。(blink)