今日(1月5日)と関連の深い発明について紹介します。今回紹介するのは安全剃刀です。1月5日は、アメリカ合衆国の実業家・発明家で安全剃刀の発明者、キング・キャンプ・ジレット (King Camp Gillette)の誕生日です。
安全剃刀といえば、貝印やフェザーもありますが、すぐに思い浮かぶのはジレットかシックでしょうか。ちなみに私は毎朝シックのエクストリーム3を愛用しています。使い捨て商品ですが、割と長く使えます(笑)
ジレットは1855年、ウィスコンシン州で生まれ、イリノイ州シカゴで育ちました。セールスマン時代、雇い主が「使い捨て製品を発売すれば客が安定する」と言ったことをきっかけに使い捨て剃刀の発明を思いつきます。その後替刃式安全剃刀の開発に乗り出し、1901年9月にはジレット社を創業。同じ年の12月に特許出願し、3年の審査期間を経て、特許を取得しました。
(特許庁J-PlatPatで検索してみたところ、情報は出てくるものの、残念ながら「指定された公報は存在しません。」となってしまいました。しかし、Google Patentsで検索してみると、公報も入手できました。)
製造販売を開始した1903年の業績は振るわなかったものの、飲料のオマケとして無料配布したことをきっかけに業績を伸ばし、1918年には米国政府から第一次大戦従軍兵のための剃刀と替刃を受注するなどし、ジレット社は世界最大の剃刀メーカーに成長しました。
ところで、今日では、ジレット社が切り開いたともいわれる事業戦略Razor and blades model (剃刀と替え刃のビジネスモデル)が知られています。これは、消耗品など補完的な商品の売上を増加させるため、中心となる商品の価格を抑えて販売する (または無料で提供する)というもの。現代でも、インクカートリッジの価格が大幅に上昇したインクジェットプリンタ、専用のカプセルやポッドを購入して使用するコーヒーマシン、電動歯ブラシ…などの事例があります。皆さんも心当たりがあるのでは?私はここに挙げた全部、持っています(笑)
ともあれ、画期的な発明をしただけで成功するほど甘くはないということでしょうか。それまでになかった新しい市場を創り出した先人達の奮闘ぶりを参考にしたいものです。(blink)