スーパーの食品売場でいつも目にする商品の中には、商品自体やパッケージが意匠登録されているものがあります。その中で、今年(平成30年)登録されたものを2つ紹介します。いずれも、一つの商品に対し意匠権及び商標権の両方で保護が図られています。
1.サントリーホールディングス(株)の缶チューハイ「明日のレモンサワー」は、缶の正面に男性の顔、背面に女性の顔のイラストが特徴的に描かれており、物品「包装用缶」について、意匠登録(第1597505号、登録日:平成30年1月19日)されています。また、同出願人により、指定商品「レモンを使用した又はレモン風味のサワー、レモンを使用した又はレモン風味の酎ハイ」について、「明日のレモンサワー」が商標登録(第5949930号)されています。
2.味の素(株)の冷凍食品「香炒飯」は、物品「包装用袋」について、パッケージの正面部分のデザインが部分意匠として登録(第1602331号、登録日:平成30年3月30日)されています。また、同出願人により、指定商品「チャーハンのもと、チャーハン、冷凍チャーハン」について、「香炒飯/かおりチャーハン(AJINOMOTOのロゴ入り)」が商標登録(第6030986号)されています。(コナン)
ハッと一息!
弁理士、特許技術者、商標実務者、図面作成者、業務管理者が書き込みます
アートアクアリウム展
先日、名古屋の松坂屋美術館で開催されているアートアクアリウム展に行ってきました。このアートアクアリウム展は、夏の風物詩として日本人に親しまれてきた「金魚」をテーマに、様々な意匠を凝らした水槽と光、音楽を暗闇の中で組み合わせ、幻想的な雰囲気を作り出している展覧会です。全体的に和をモチーフにしている作品が多いためか、外国人のお客さんも多くたいへん賑わっていました。この展覧会は期間限定で全国各地で行われています。
このアートアクアリウム展の名前、最近よく聞くようになったので、商標登録されてるのでは?と特許事務所員の感を働かせてJ-platpatで調べてみると、ホームページでも掲載されているロゴ「ART AQUARIUM」が2014年1月10日に商標登録されていました。
http://artaquarium.jp/
(ホームページ左上にあるロゴ)
名古屋では9月16日までアートアクアリウム展が行われています。興味があれば足を運んでみてはいかかでしょうか(ポテト)
二重構造の陶磁器カップ
先月の事になりますが、今年の父の日も家族で食事&何かプチギフトを用意しようと雑貨屋さんへ足を運んだところ、父の日ギフトコーナーで気になる陶磁器のカップを見つけました。
外箱の説明によると、二重(中空)構造のため保冷、保温に優れていて結露しにくく、電子レンジOK、食洗機OKとのこと。そして「製造特許取得商品」「清山窯」とあり、カップの底には商標らしき「キーポ」「清山」という文字が。
非常に気になります。(特許事務所員あるある)
おなじみJ-PlatPatで調べてみました。
「キーポ」は登録商標(第4291591号)で、登録日は平成11年7月9日。権利者は株式会社清山でした。この権利者名で特許検索をしたところ、二重構造の焼物容器に関する特許出願が2件ヒットしました。20年ほど前に出願されていましたが、いずれも拒絶査定となっていました。特許にはなりませんでしたが、製法は普及して多様なカップが作られ定番商品となっているようです。日本の技術を垣間見られる良い商品に出会えました。
父から使用感など特にコメントはありませんが、晩酌や食後のお茶にと出番が多いようなので、そこそこ気に入ってもらえたのかなぁと思っています♪(すーママ)
働き者の土偶
昨年のことになりますが、岡山県備前市日生町にある「BIZEN中南米美術館」に行ってきました。この美術館には古代アメリカ大陸で作られた大変貴重な土器・土偶等が展示されているのですが、その展示物が愛嬌のあるものばかりなのです。
カカオ豆柄の服を着た土偶、不思議なポーズのヘソイノシシの土偶などなど。
古代の人々と「面白い」「かわいい」という感覚を共有した気分になり、ぐっと展示に引き込まれていきました。
さてこちらの美術館は、展示物の一つであるヘソイノシシの土偶(エクアドル出土)をキャラクター化し、日生の町おこしや、エクアドルと日本をつなぐ活動をしています。
J-PlatPatで調べてみると、このキャラクターの名前である「ペッカリー」という標準文字商標(商標登録第5622917号)と、図形商標(商標登録第5641062号)が登録されていました。町おこしと国おこしを一手に担うとはなんとも働き者の土偶です。

写真はヘソイノシシの土偶です。これがどのようにキャラクター化されているのか気になった方は下記リンク先(J-PlatPat)で検索してみてはいかがでしょうか。(さくらもち)
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage
堂島ロール
今回は、ある商標権侵害訴訟について書きます。洋菓子などの製造販売を行う「モンシェール」(大阪市)が2007年に「堂島ロール」を商標登録し販売を展開していましたが、その商標権を侵害したとして「堂島プレミアム」にロゴマークの使用差止と損害賠償を求めていた訴訟についてです。2018年4月17日、大阪地裁は、堂島プレミアムロールのロゴは堂島ロールの高品質版という印象を消費者に与え、混同を生じさせるものであるとして差止と販売利益分3426万円の支払いを命じました。堂島ロールファンとしては、ほっとしました。
ブログを書いていたら、また食べたくなりました。(YA)
オアシス21の登録商標
昨年、トリップアドバイザー(旅行サイト)の「外国人旅行客が選ぶ夏のフォトジェニック観光スポット」ランキングで名古屋栄のオアシス21が2位に選ばれました。「水の宇宙船」と呼ばれる楕円型の屋根が特徴的で、ライトアップされた夜の景観が特に外国人に人気があるようです。このオアシス21に関して2パターンの図形商標が登録されています。下の写真で、垂れ幕の真ん中から上部に表示された文字が楕円型に配列されたもの(商標登録第4674339号)と、垂れ幕の下部に表示された文字が横に配列されたもの(商標登録第4674340号)です。いずれも商標権者は栄公園振興株式会社で、建物の管理等を指定役務として登録されています。(コナン)
(参考リンク)
オアシス21(施設):
https://www.sakaepark.co.jp/shisetsu/
アイスランドのチョコレート
私がいつか訪れてみたいと思っている国の一つにアイスランドがあります。そんなアイスランドの物産品を専門的に販売するお店が最近名古屋にオープンしたのをご存知ですか?場所は名東区・本郷で店名は「アイスランドマーケット」。今年4月にオープンしたばかりですが、早速友人とともに訪れてみました。綺麗で北欧インテリアを彷彿とさせる店内にはアイスランド原産の食料・衣服・コスメなど様々な種類のものが販売されており、またアイスランド料理を体験できるイートインコーナーも用意されています。いろんなものが販売されてるなかでも私が特に気に入ったのはアイスランドブランド「Omnom(オムノム)」のチョコレート。Omnomのチョコレートは、カカオ豆からチョコレートになるまでの工程を一貫して行う”bean to bar”という方法で作られており、パッケージには様々な動物のイラストが施されています。コンセプトは「味の楽しさ」と「目で感じる楽しさ」だそうです。
こちらの「Omnom」は、ロゴとして2017年7月28日に日本にて商標登録されています。皆さんも興味があればぜひ食べてみてください。(ポテト)
癒し効果のしっぽクッション
こんにちは。ネムノキです。
しっぽのついたクッション型セラピーロボット「Qoobo」はご存知でしょうか。クッションを撫でると、猫のようにしっぽを振って応えてくれて、癒し効果を与えるロボットです。
Qooboは2017年12月26日より予約販売が開始され、2018年の秋頃に発送されるそうです。ご興味のある方は、Qooboを自社開発したユカイ工学株式会社のホームページをチェックしてみてくさださいね。https://www.ux-xu.com/
「Qoobo」という標準文字の商標も同社より出願されています(商願2017-129107)。
羽ばたくように見えます?
普段何気なく目にする商標について紹介するシリーズ。今回は、「フライング・M」です。
「フライング・M」は、自動車メーカーのマツダ株式会社が製造する自動車に付される商標登録第5984097号の商標(写真)の通称です。社名の「マツダ(英語表記:MAZDA)」は、事実上の創業者である松田重次郎の姓と、叡智・理性・調和の神を意味するゾロアスター教の最高神アフラ・マズダー(Ahura Mazda)にちなんでいます。また、「フライング・M」は、「自らたゆまず改革し続けることによって留まることなく発展していく」というマツダの決意を、羽ばたく鳥のように見える「M」で表現しており、1997年から使用されています。
「Mazda Sustainability Report 2015」
http://www2.mazda.com/ja/csr/download/pdf/2015/2015_p002.pdf
ルルメディカルドロップ
こんにちは。ヒロです。
先日、愛用しているのど飴(写真)の包装に「登録商標」と記載されていることに気づきました。
調べてみると、「第一三共ヘルスケア株式会社」の登録商標として、指定商品「薬剤」等について商標「ルル」が登録(第590192号)されており、指定商品「ドロップ状の薬剤」について商標「ルルメディカルドロップ」が登録(第5538208号)されていました。
商標「ルル」は、1960年9月12日に出願され、1962年6月20日に登録されています。一方、商標「ルルメディカルドロップ」は、2011年11月25日に出願され、2012年11月22日に登録されています。この商品「ルルメディカルドロップ」は2012年8月に販売開始されているので、時系列としては、商標「ルルメディカルドロップ」の出願 → 商品「ルルメディカルドロップ」の発売 → 商標「ルルメディカルドロップ」の登録、という流れになります。
なお、「第一三共ヘルスケア株式会社」は登録商標「ルル」と同一の標章について防護標章登録(第590192号防護第01号等)を受けており、登録商標「ルル」が著名なものとして認められていることがわかります。












