スーパーの食品売場にある登録意匠

  • 2018年09月05日
#商標】 【#意匠

 スーパーの食品売場でいつも目にする商品の中には、商品自体やパッケージが意匠登録されているものがあります。その中で、今年(平成30年)登録されたものを2つ紹介します。いずれも、一つの商品に対し意匠権及び商標権の両方で保護が図られています。
 1.サントリーホールディングス(株)の缶チューハイ「明日のレモンサワー」は、缶の正面に男性の顔、背面に女性の顔のイラストが特徴的に描かれており、物品「包装用缶」について、意匠登録(第1597505号、登録日:平成30年1月19日)されています。また、同出願人により、指定商品「レモンを使用した又はレモン風味のサワー、レモンを使用した又はレモン風味の酎ハイ」について、「明日のレモンサワー」が商標登録(第5949930号)されています。
 2.味の素(株)の冷凍食品「香炒飯」は、物品「包装用袋」について、パッケージの正面部分のデザインが部分意匠として登録(第1602331号、登録日:平成30年3月30日)されています。また、同出願人により、指定商品「チャーハンのもと、チャーハン、冷凍チャーハン」について、「香炒飯/かおりチャーハン(AJINOMOTOのロゴ入り)」が商標登録(第6030986号)されています。(コナン)

ポテトチップス

  • 2018年08月24日
#発明

 今日(8月24日)と関連の深い発明について紹介します。今回紹介するのは「ポテトチップス」です。ポテトチップスは、1853年の今日、アメリカの料理人であるジョージ・クラムにより考案されたと言われています。
 誕生逸話はこうです。ある大富豪から「ポテトフライが厚すぎる」として、クラムは何度もポテトフライを作り直しさせられます。うんざりしてしまったクラムは、フォークで刺せないほどに薄く切ってカリカリに揚げて、大富豪を困らせようと企てます。ところが大富豪は困るどころか、逆にこのカリカリ薄切りポテトを大変気に入ったそうです。
 思わぬことから発明が生まれることもあるのです。(ランナー)

アートアクアリウム展

  • 2018年08月22日
#商標

先日、名古屋の松坂屋美術館で開催されているアートアクアリウム展に行ってきました。このアートアクアリウム展は、夏の風物詩として日本人に親しまれてきた「金魚」をテーマに、様々な意匠を凝らした水槽と光、音楽を暗闇の中で組み合わせ、幻想的な雰囲気を作り出している展覧会です。全体的に和をモチーフにしている作品が多いためか、外国人のお客さんも多くたいへん賑わっていました。この展覧会は期間限定で全国各地で行われています。

このアートアクアリウム展の名前、最近よく聞くようになったので、商標登録されてるのでは?と特許事務所員の感を働かせてJ-platpatで調べてみると、ホームページでも掲載されているロゴ「ART AQUARIUM」が2014年1月10日に商標登録されていました。

http://artaquarium.jp/
(ホームページ左上にあるロゴ)

名古屋では9月16日までアートアクアリウム展が行われています。興味があれば足を運んでみてはいかかでしょうか(ポテト)

専売特許の日

  • 2018年08月14日
#特許

 8月14日は、専売特許の日です。堀田瑞松によって出願された「錆止塗料及ビ其塗法」に対して、1885年(明治18年)8月14日に特許第1号が付与されたことにちなんでいます。明細書を見ると、出願日が明治18年7月1日となっているので、出願から特許査定まで、今と比べるとずいぶん早いですね。
 特許第1号の明細書は、以下のURLで見ることができます。(マロン)
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/PU/JPC_1/5057BF50DF8583E2

PAT.P

  • 2018年08月06日

みなさん、商品やカタログ等で「PAT.P」という表記を見たことがありませんか? これはPatent pending(特許出願中)の略です。あくまでも出願中なのであって、表記の時点で商品に関する特許が存在するわけではありません。出願後、審査にパスして特許料を納付すると、晴れて「PAT」と表記することができるようになります。(ランナー)

テレビを発明した人々

  • 2018年08月02日
#特許

 テレビ技術と関連の深い発明家について、ご紹介します。

 一人目は、ロシア系アメリカ人の発明家、ウラジミール・ツヴォルキン(Vladimir Zworykin、1888-1982)。彼は、ブラウン管によるテレビ送受信システムや、電子顕微鏡を発明したことで知られています。サンクトペテルブルクの工業大学で学んだ後、ロシア革命後にアメリカに移民し、その後ウェスティングハウスやRCAなどで働きながら、長くテレビ技術の開発に携わりました。引退後、アメリカ国家科学賞を受賞しています。

 二人目は、アメリカ人のフィロ・ファーンズワース(Philo Farnsworth、1906-1971)です。ファーンズワースは、電子顕微鏡開発を手掛けるなどし、300もの特許を国内外に保有していた著名な発明家です。

 二人のテレビ技術は、ともに1936年のベルリンオリンピックで使用されるほど完成度は高かったようです。
 この他にもたくさんの発明家の努力があって、今日の高品質テレビ技術が製品化していることに共感します。 (blink)

 詳細は以下リンク先(Wikipedia)をご覧下さい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウラジミール・ツヴォルキン
https://ja.wikipedia.org/wiki/フィロ・ファーンズワース

二重構造の陶磁器カップ

  • 2018年07月23日
#商標】 【#特許

先月の事になりますが、今年の父の日も家族で食事&何かプチギフトを用意しようと雑貨屋さんへ足を運んだところ、父の日ギフトコーナーで気になる陶磁器のカップを見つけました。

外箱の説明によると、二重(中空)構造のため保冷、保温に優れていて結露しにくく、電子レンジOK、食洗機OKとのこと。そして「製造特許取得商品」「清山窯」とあり、カップの底には商標らしき「キーポ」「清山」という文字が。

非常に気になります。(特許事務所員あるある)

おなじみJ-PlatPatで調べてみました。
「キーポ」は登録商標(第4291591号)で、登録日は平成11年7月9日。権利者は株式会社清山でした。この権利者名で特許検索をしたところ、二重構造の焼物容器に関する特許出願が2件ヒットしました。20年ほど前に出願されていましたが、いずれも拒絶査定となっていました。特許にはなりませんでしたが、製法は普及して多様なカップが作られ定番商品となっているようです。日本の技術を垣間見られる良い商品に出会えました。

父から使用感など特にコメントはありませんが、晩酌や食後のお茶にと出番が多いようなので、そこそこ気に入ってもらえたのかなぁと思っています♪(すーママ)

 

夏時間

  • 2018年07月18日
#特許

こんにちは、タイムです。
梅雨も明け、いよいよ夏が始まりましたが、ここ名古屋では梅雨明け後すぐに盛夏かと思われる気温が続いています。

先日、早起きをし、活動開始時間を早めたところ、気温も低く出勤する人の数が少なく地下鉄もゆったり乗ることができ、とても快適でした。

欧米では、現在夏時間ということで、国際出願(特許、意匠、商標)に関する問合せ先である世界知的所有権機関(スイス)への電話による問合せ時間も、先月は日本時間17時以降でしたが、今月7月に入ってからは16時以降になりました。
季節により国全体で時間が変わるという事は、日常生活と業務上で一体どういった影響があるのだろうか、と思いを馳せつつ個人レベルで夏時間で行動をすることで心身ともにより快適な夏が過ごせるような気がします。

呼吸する靴:GEOX

  • 2018年07月17日
#特許

 いよいよ暑い夏がやってきました。みなさんは、暑い日に履く靴の中の熱気や蒸れを不快に感じたことはありませんか?何か良い靴はないか探していたところ、この不快感を軽減できそうな靴をネットで見つけ、購入してみました。GEOXという、イタリアの靴メーカーのスニーカーです。

 靴底のつま先側部分に50~60個の穴が開いています。この穴を通じて靴内外で換気され、靴の中の蒸れが軽減されます。また、防水透湿機能をもつ膜(メンブレン)が靴底と中敷きの間に設けられており、靴底の穴を通じて靴の中の熱気を蒸気とともに外へ逃がしつつ、外からの水の侵入を防ぐことができるそうです。GEOXのWebページでは「呼吸する靴」と紹介されています。

 この靴の靴底を見ていて、かかと部分に「WORLD P.C.T. PATENT」の文字があることに気づきました。中敷きには、「ITALIAN PATENT」の文字も見えます。

 特許情報プラットフォーム(J-Plat Pat)で調べてみると、「GEOX S.p.A.」名義で、通気性の高い靴に関する数十件の特許が日本で取得されていることがわかりました。そのうちの多くが、特許協力条約(PCT:Patent Cooperation Treaty)に基づく国際出願制度を利用したものでした。

 このスニーカーを数日履いてみましたが、確かにつま先周りが涼しく感じられました。今年の夏は、快適に過ごせそうです。(ヒロ)

働き者の土偶

  • 2018年07月05日
#商標

 昨年のことになりますが、岡山県備前市日生町にある「BIZEN中南米美術館」に行ってきました。この美術館には古代アメリカ大陸で作られた大変貴重な土器・土偶等が展示されているのですが、その展示物が愛嬌のあるものばかりなのです。
 カカオ豆柄の服を着た土偶、不思議なポーズのヘソイノシシの土偶などなど。
 古代の人々と「面白い」「かわいい」という感覚を共有した気分になり、ぐっと展示に引き込まれていきました。

 さてこちらの美術館は、展示物の一つであるヘソイノシシの土偶(エクアドル出土)をキャラクター化し、日生の町おこしや、エクアドルと日本をつなぐ活動をしています。
 J-PlatPatで調べてみると、このキャラクターの名前である「ペッカリー」という標準文字商標(商標登録第5622917号)と、図形商標(商標登録第5641062号)が登録されていました。町おこしと国おこしを一手に担うとはなんとも働き者の土偶です。


 写真はヘソイノシシの土偶です。これがどのようにキャラクター化されているのか気になった方は下記リンク先(J-PlatPat)で検索してみてはいかがでしょうか。(さくらもち)
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage