今日の発明~水銀温度計

  • 2019年05月14日

#今日の発明

 今日(5月14日)と関連の深い発明について紹介します。今回紹介するのは、水銀温度計です。

 一昔前は、体温計や温度計といえば、家庭でも学校でも、水銀温度計を使っていたものです。皆さんのご家庭でも、まだ使われているかもしれません。この水銀温度計を発明したのが、ドイツ人の物理学者、ファーレンハイトです。これにちなんで5月14日は「温度計の日」となっています。

 ガブリエル・ダニエル・ファーレンハイト(Gabriel Daniel Fahrenheit)は、333年前(1686年)の今日、ポーランド・リトアニア共和国のポーランド王領プロイセンのグダニスク(現在ポーランド領)で生まれました。
 ファーレンハイトは、1724年、精度が低かった当時の温度計を改良し、高純度水銀を使用することによって精度を高めました。さらに、液体の種類によって沸点が異なること、沸点が大気圧によって変動することなどを発見したほか、温度単位の華氏(ファーレンハイト度)に名を残したことでも有名です。

 有機水銀による健康被害が広く知られるようになってからは、世界的に水銀に対する規制が強化され(注)、また電子体温計などの代替技術が普及するなどした結果、水銀温度計は徐々に使われなくなってきており、歴史的役割を終えつつあるといえそうです。とはいえ、発表されてから優に300年近くも、科学の発展に貢献した重要な技術であることはいうまでもありません。

注:2013年、国際条約「水銀に関する水俣条約」が成立し、水銀製品は2020年以降、製造・輸出入が禁止となります。日本は提唱国でもあり、2016年に批准を完了しています。現在使用中のものは引き続き使用できますが、廃棄する際は注意が必要です。

詳しくは、以下のリンク等を参照して下さい。
1)ファーレンハイトについて:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%96%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%88
2)水銀に関する水俣条約:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E9%8A%80%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%B0%B4%E4%BF%A3%E6%9D%A1%E7%B4%84