本日(7月22日)と関連の深い発明について紹介します。
今回紹介するのは、モビールをはじめとするキネティックアート(kinetic art)です。
7月22日は、インテリアや知育玩具(モンテッソーリ・モビール)などでも知られる「動く彫刻」モビールを“発明した”アメリカ合衆国の彫刻家アレクサンダー・コールダー(1898年7月22日~1976年11月11日)の誕生日です。
コールダーのモビールは、キネティックアートの出発点とも位置付けられる存在です。今回、モビールに関連し、多彩なキネティックアート作品の中でも特に話題となったものとして、オランダの現代彫刻家テオ・ヤンセン氏の作品群を紹介します。
「・・・現代アート?発明といったい何の関係が?」と思った方、ぜひこの動画を見てみてください。風に吹かれるだけで、滑らかに、まるで生き物のように動きだすストランドビーストの姿にくぎ付けになるはずです。
複雑かつ精緻なリンク機構で構成されたストランドビーストは、工学的・物理学的に興味を惹く作品ですが、意外なところでは分子生物学的にも示唆を与える存在のようです。
NHKスペシャル人体Ⅲ「命の源 細胞内ワンダーランド」(2025年4月28日放送)で紹介されていましたので、目にした方もいらっしゃるかもしれません。そこでは細胞内の物質輸送に関わるモータータンパク質「キネシン」との対比で紹介されていました。もっとも、キネシンとは駆動力が異なりますが。「無生物」とされるウイルスとの対比も成り立つのかもしれません。
ヤンセンのストランドビーストはアートと科学技術を融合させた独創的な作品群であり、現在も進化を続けています。これからも見る人の感性に働きかけ、忘れてしまいそうな自由な発想を呼び覚まし、よい刺激を与えてくれそうです。(blink)